季節から見つけるエコ(5)芸術の秋に「アートとデザインと環境問題」を
環境新聞 × ジョシエネラボ コラム
季節から見つけるエコ
「かえっこ」で集まったおもちゃたちでアートな展示もしていました
芸術の秋に「アートとデザインと環境問題」を
ー不要になったおもちゃを循環させる「かえっこ」ー
環境やエネルギーに関する女性の活動をサポートしているジョシエネLABO代表の上田です。今回のテーマは、芸術の秋にちなんで「アートとデザインと環境問題」です。
一応美術大学を卒業しているので、まずアートとデザインの違いを解説します。端的に言うと「アート」は問題提起の手法、「デザイン」は問題解決の手法だと思っています。
アートを目の前にすると「こ、これは…なに!?」と思うようなことも多いかと思いますが、作者が表現したものを私たちは五感で受け取り、答えは自分で見つけます。一方デザインは、何か問題がある時にそれを解決するために使われます。私たちはデザイナーに悩みを相談し、適した形で課題を解消してもらいます。そのため環境アートと環境デザインはそれぞれ違う分野になります。アートの場合、環境問題は題材として扱われ、デザインの場合、環境問題は解決の対象です。
素敵な環境デザインの例をご紹介します。不要になったおもちゃを交換し循環させ続けることを目指している「かえっこ」という2000年から始まったリユースの仕組みです。「かえっこ」は単なる不用品交換会ではなく、“カエルポイント”と呼ばれる世界共通のこども通貨を使い、遊ばなくなったおもちゃなどを子ども同士で循環させる買い物遊びです。現代美術作家の藤浩志氏によって発案され、全国に広がっています。
遊び方は、まず使わなくなったおもちゃを持っていきます。それを査定してもらい、カエルポイントをもらいます。そしてショップに並んだおもちゃの中から好きなおもちゃを選び、カエルポイントの分だけお買い物ができます。ワークショップに参加したり、スタッフになってお手伝いをするとまたカエルポイントがもらえます。
こういったリユースの仕組みも環境デザインの一つです。令和初の秋は、大人も子どももアートやデザインに触れてみてはいかがでしょうか?
環境ナビゲーター 上田マリノ
https://twitter.com/marino519
環境新聞 2019年9月18日号より転載
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