【初回】小松和子|オーガニックコスメの第一人者に聞く
「オーガニックレストラン村」、「アニマルウェルフェア」、「森里海ゾーン」、「エシカルファッション雑貨」など、多岐に渡るテーマに区分けされた会場の中で、ひときわ眩しく、美しいゾーンがある。それが「エシカルコスメゾーン」だ。
女性が日々直接肌につける化粧品がナチュラルで、身体に優しいものであるべきなのは、誰もが望んでいるものに思える。さらには、そういった製品はおのずと自然由来で、原料の出処、製造過程が地球環境に直結しているのは、よく考えれば当然のことなのかもしれない。
そんなエシカルコスメゾーンをプロデュースする、小松和子さん。名刺には「オーガニック・ナチュラルコスメビューティープロデューサー/ナチュラルコスメヘアメイクアップアーティスト」とある、オーガニックコスメのカリスマに話を聞いた。
ですから、食品やファッション、地域振興、フェアトレードなど様々なカテゴリーの中でも良い立ち位置をいただいています。そして私が主催している「NaturalLife & Beauty Academy」という、肌とオーガニックやナチュラルコスメの化粧品を学ぶアカデミーがこのコスメゾーンを監修しているかたちになります。
一般的に多くの化粧品は世の中に環境配慮をされていないものが多いので、私たちは未来のないものを支持しないという信念でやっています。EXPOでも厳しい基準の下、こだわりを持って作られているメーカー様だけに出展していただいています。今回すばらしいブランドばかり、国内外合わせて23ブランドが揃っています。
「オーガニック」と言葉でうたっていても、現状ではそうでないものも増えてますから、展示会としては審査をして、その中における高い敷居を維持しています。
食品と同じで、石鹸にもパーム油が使われていたりします。こういったナチュラル・オーガニックメーカーには「RSPO」というパーム油の生産と消費のバランスを考えた認証を持つものを使用したり、マイクロプラスチック問題など、様々な環境について意識の高いブランドさんが多くいらっしゃいます。
もちろん理想からすれば、市場はまだまだです。それに、多くの消費者は化粧品に対する認識が「オーガニックは肌に優しい」というイメージが強くて、「本質は環境コスメである」という認識がまったくない。オーガニックコスメを間違った解釈で選んでいます。「肌に優しい」というのはイメージであって、本当は食品のお蕎麦や牛乳などにアレルギーがあるように、化粧品の何かの成分にかぶれるということはありますので「確実に安心」とは言えないのです。
海外ではオーガニックコスメを買うことで「環境破壊を少しでも抑えられる」という意識の方が多いのですよね。日本ではそこに気づかれている方がまだまだ少ないです。
TVドラマや映画では主役を担当すると、当然作品の看板を背負うということになりますので、それはかなりのプレッシャーでした。撮影業界で20年間やっていく中で、まず自分の身体が30歳で自律神経失調症になってしまいました。さらにはそれをきっかけにアレルギー体質がひどくなり、最終的には化学物質過敏症という結果になりました。
撮影で女優さんたちのメイクをするためには、まず自分の手の甲でファンデーションや口紅を混ぜて色の調節をするのですが、ある時から、手に付けた化粧品でみるみるミミズ腫れになっていくようになりました。それを見て、そんなものを人様の肌につけてることが恐ろしいし、自分自身も「これではマズいぞ」と。
そうやって徐々に、「この中の何がどのように、私の身体によくないんだろう?」と調べるようになっていきました。私は頭が理系ではないので、最初は本当に苦手だったんですが、いろいろ調べてメーカーさんとコンタクトをとっていく中で、オーガニックの世界があることに気がついたんです。
もう16、7年くらい前、最初の出会いはドイツのロゴナというブランドでした。まだ日本にはほとんどオーガニック製品がない頃で、最初は海外に行った友達にお土産でもらったんです。それを使ってみると「あれ、痒くならない、赤くならない」、「これはどうしてだろう?」と思いました。
しばらくすると日本にも何社か、当時はドイツのものが多かったのですが、オーガニック製品が販売されるようになってきました。次第にオーガニックブランドさんとイベントやメークレッスンを開催するようになり、お客様から「実は私も」という、私と同じような体験をした方々が、肌に優しい化粧品を求めて来るようになったんです。
始めは「私のように肌で悩んでいる人が意外に多いのだな」と思った程度だったのが、続けるに従って「これはいよいよ、需要が本格的にある」というがわかってきて、現代の化粧品の在り方を深く考えさせられました。ここ数年の傾向は「日本人の肌には日本の馴染みのある製品を」と、国内発信ブランドもおのずと増えてきましたね。
こんな風にオーガニックに触れ、肌も身体の以前よりもいつの間にか安定して、気づいたらもうケミカルには戻れなくなってしまいました(笑)。
『ナチュラルライフ&ビューティーアカデミー』は2017年1月からスタートし、今迄、多くの受講生の方々がベーシックコースを修了し、それぞれのお仕事や、自分の為に活かされています。
なかなか知りたくても教えてもらえる場所がなかったオーガニック、ナチュラルに特化したスキンケア、メイクアップのベーシックな知識を1日で習得するコースになります。
↓↓↓↓↓
東京校
9月30日(日) 12:30-17:30
10月20日(土)12:30-17:30
11月4日(日) 12:30-17:30
12月9日(日) 12:30-17:30
東京(アトリエ・スセリ)東京都港区南麻布1-5-14麻布東町マンション301
名古屋校
10月6日(土) 10:00-16:00
愛知県産業労働センター(ウィンクあいち1205室) 愛知県名古屋市中村区名駅4丁目4番38号
話を伺うほど再エネとの共通項が見つかるオーガニックコスメの世界。小松さんインタビュー第2回は8/27(月)公開です。
→【第2回】小松和子|オーガニックコスメの第一人者に聞く
→【最終回】小松和子|オーガニックコスメの第一人者に聞く
(取材:平井有太)