ペットボトルで雲づくり!「自由研究 終わらせちゃおう!」2018 イベントレポート
読みもの|8.31 Fri

ペットボトルで雲づくり!「自由研究 終わらせちゃおう!」2018イベントレポート

 去る7月22日に世田谷区主催のイベント「環境エネルギー・ラボ2018」@三軒茶屋にて、『ペットボトルで雲づくり!「自由研究 終わらせちゃおう!」2018』を開催しました。

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 ジョシエネLABOは過去にも何度か気象予報士さんと組んで毎日のお天気や防災のイベントを行っておりますが、今回は自由研究にも役立つ雲作りの実験も交え、親子で参加できる形で開催しました。

 内容は、前半が天気に関わるクイズ、後半が雲づくりの実験とこれからの季節に発生しやすい危ない雲のお話。2人のママ気象予報士が講師となって、参加者の親子に分かりやすく説明します。この雲作りの実験は身近にある材料で行え、しかも変化が分かりやすいのでとても人気があります。この日も事前予約を受け付けたところ、10時~と11時~の2回とも満員御礼となりました!

 子ども参加者の年齢は年少さん~6年生と様々。その中でも小学校1~3年生くらいのお子さんがたくさん参加してくれました。

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【天気に関わるクイズ】
 前半の天気に関わる○×クイズ。こちらは気象予報士の水渡(すいと)敬子さん講師で進みました。「飛行機雲が残ると翌日の天気は晴れ?」「降水量が多いのは6月?」などのクイズに○×で答えてもらいます。正解して「やったー!」と歓声を上げる子ども、「へぇ~」と感心する保護者の方が多く見られ、皆さんクイズを楽しみながら学ばれていました。

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【ペットボトルで雲づくり】
 後半は雲づくりの実験です。気象予報士の山本由佳さんが講師となり、子ども達に説明していきます。雲は空気中の水蒸気が冷え、ちりなどの不純物と混ざってできます。この仕組みをペットボトルなどの材料を使って手元で再現していくのです。

 初めは、実際に空気に圧力が加わり空気の温度が下がることを見てもらう実験を行います。事前に配布された炭酸飲料用の空ペットボトルと、炭酸抜けを防止する栓に加えて、フィルム状の液晶温度計をセットし、栓を押してペットボトルがパンパンに張るまで空気を送り込みます。これがなかなか大変で、皆さん親御さんと協力しながら栓を押していました。限界まで空気を詰めたところで栓を開けると、ポン!という音が鳴り中の空気が抜けます。温度計を確認すると、1~2度下がっていました。

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 次は液晶温度計を取り出し、いよいよ雲づくりの本番です。ペットボトルに精製水と消毒用のアルコール液を少量ずつ入れ栓をし、先ほどと同じように空気を送り込みます。アルコールを入れると空気の温度が冷えやすくなり、また空気中の不純物の代わりにもなるのです。2度目の空気入れとなり、さすがに手が疲れた~なんて声もあがりつつ、皆さん真剣に空気を入れていきます。講師の山本さんがペットボトルの張り具合を確認し、「う~ん、もうちょっとかなー」「いい感じだね!このままで待っていてね」と子ども達に声をかけていきます。

 全員のペットボトルがパンパンになったところで、いよいよ開栓します。山本さんの声掛けの下、一斉に開栓すると、あちこちでポン!ポン!と高らかな音が。同時にペットボトルの中に白いモヤが立ち、渦巻いています。それを見た子ども達が目を輝かせながら歓声を上げ、一緒に見守っていた親御さん達も感心しきりのようでした。山本さんの説明でコツをつかんだ子ども達は、その後何度も雲づくりに挑戦していました。

【危ない雲のお話】
 最後は、夏に発生しやすい危ない雲のお話。普段見慣れている雲の中でも、災害に繋がる危険な雲がある、という説明です。折しも西日本に類のない集中豪雨被害があったばかりであり、雲づくりの和気あいあいとした雰囲気とは打って変わり、皆さん真剣に聞いていました。

 例にあがったのは積乱雲(入道雲)。積乱雲は、夏場は毎日の様に見かけますが、近くに姿が見えたら避難を考えたいいくらい、実は危険な雲なんです。「空が暗くなったら」「ひんやりした空気が流れて来たら」「雷鳴が聞こえたら」などの避難の基準を聞いて、「その程度で逃げなきゃならないなんて思ってなかったなぁ」などの声もちらほら聞こえてきました。

 また、山本さんが「頑丈な建物に逃げましょう。大きな地震が起きた時は公園や校庭など広い所に避難しますが、積乱雲の嵐の時は頑丈な建物の中が安全です。校舎や図書館、身近な所ではコンビニなど…」と具体的な話になるとメモを熱心に取る子どももいました。

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【イベントを終えて】
 1時間前後の盛りだくさんなイベントでしたが、お子さんも親御さんもほどよく集中できて、「楽しかった」「家でも雲を作ろう」という声があちこちで聞こえてきました。もっといろいろ知りたいと、講師達に質問する人が何人も並んでくれました。子どもだけでなく親御さんもとても楽しそうに参加されていました。雲や空の知識が学べただけではなく、親子で話しながら実験を進めたり、雲ができる瞬間を写真におさめたりと、親子の会話のいいきっかけにもなったのかな、とも感じました。

▼イベント詳細
・環境エネルギー・ラボ2018 ウェブサイト
 http://ene-lab.com
・世田谷区 ウェブサイト
 http://www.city.setagaya.lg.jp/kurashi/102/126/1894/1897/d00160273.html

▼講師
山本由佳 氏(気象予報士・防災士・気象ライター)
(一社)日本気象予報士会サニーエンジェルス代表。FMブルー湘南「空のココロ 風のキモチ」担当。東京理科大学卒。全国に広がる女性気象予報士仲間とママ向けお天気教室を開く活動(サニーエンジェルス)を展開。ワークショップ・防災講座講師など経験多数。

▼企画
水渡敬子 氏(気象予報士・保育士)
母親向けのお天気講座を世田谷区内で展開している「観天望でわかるケイズ天気」代表。ジョシエネLABO講師。
メーカー勤務の後、塾講師を経て、環境教育、子育て支援のNPOスタッフの経験から親子・母親向けの企画を手がける。
九州大学大学院大気海洋環境システム学修了。世田谷区在住。3児の母。

ジョシエネLABOとは
環境やエネルギーをメインテーマに「今よりもちょっと賢くなりたい女性」へ学習・活動支援をしてます。
ママ向け企画も進行中!イベント参加者、企画メンバー、講師など随時募集しています。
https://tadori.jp/about_josehiene/
https://www.facebook.com/joshienelabo/

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