カフェスロー|市民の生活から湧き上がってくる動き
メイン写真は、カフェ入り口にて、みんな電力に切り替えてくださった方だけにお配りしている特別ステッカー。色合い的にも、カフェのロゴとの相性が◎
知る人には有名なオーガニックフード、持続可能なライフスタイルの先駆けとして、その実践と提案を続けてこられたカフェスロー。カフェスローは電力自由化を受け、いち早くみんな電力にエネルギーを切り替えてくださってもいます。
ENECTでは先週、ロンドン発のイニシアティブ「RE100」が促す、世界の名だたる企業による使用電力の再生可能エネルギー化と、そのムーブメントの上陸に伴う日本企業の動きを報告しました。しかし究極的には、巨大グローバル企業であれ国家であれ、それをつくりあげているのは私たち市民一人一人、つまり「個人」です。
それが、カフェスロー発電所プロジェクト・キックオフイベント「オフグリッドフェス!」でした。代表の吉岡淳さんは、こう語ります。
私たちが『スローな暮らし方』と呼ぶものは、みんなですすめるムーブメントしての生き方を考えるきっかけと、『繋がり直し』。そこで繋ぎ直すものとは、私たちが無作為にすすめてきてしまった大量生産、大量消費の中で断ち切られてしまった『自然と人間』、『人間と社会』、『人間と人間』といった関係性です。
活動の起点にあるのは911ですが、エネルギーのことを明確に考えるようになったきっかけはやはり311でした。私たちは都会にいてもただの消費者でなく、生産者になれる可能性を探らないとなりません。今のままでは破壊ばかりで、では自然とどう共生していけるのか。だって自然が破壊されたら、私たちはこの地球上に住めなくなってしまいます。
オフグリッド生活を実践している藤井智佳子さん。コツはプチオフとプチ自給で、スタートのタイミングはライフステージの変化がチャンス。メディア露出も多数
一つ言えるのは、こういうことは、最初から100%を狙わなくても例えば認知度が20%までいけば、その後はグワーッといくものです。そこまで努力して頑張れば、社会はその後自然と変わります」
六ヶ所村は使用済み核燃料の再処理場で知られています。でも僕は、あえて反対運動を広げないで、むしろ自分たちの活動の共感の輪を広げていくことを意識してやってきました。例えば有機農業、林業、ここのように美味しいコーヒーが飲める喫茶店などは、原発推進をすすめようとする側の中にも、興味を持つ方々がいるようなトピックです。
同日早い時間に開催されていた、「ソーラー・ランタンWork Shop」でつくられた自家製ランタンたち。かわいいだけじゃなく、実用的なことが肝
上は特別ゲスト、開始時に素敵な演奏をしてくださったバンドLittle Tempo土生さん。下は、開会の挨拶中のみんな電力・大石代表。コンセントを挿した先の想像を
ゲストとして、吉岡代表と対談形式でお話された非電化工房・藤村靖之さんは
私たちは日々の生活の中で使用するエネルギーの量を減らしながら、使うものや関わるものが工業化、商業化、利権化しないくらいのところでやっていくくらいが、ちょうどいいと思っています。
演奏を終えた土生さん、ソーラーランタンに興味津々。最後にはご自分でデコレーションしたものをお持ち帰りいただきました。私生活での活躍を期待します!
講演中の、藤野電力・鈴木俊太郎さん。「自分でやる」意識が大事だし、それも楽しくないと続かない。発電とは、家庭菜園のようでもあり、何より人と繋がること
市民間から出てきたムーブメントを追ったENECT。来週月曜は予告より一週遅れで、先日の来日中30分いただいた
ザ・クライメート・グループ代表、RE100総括責任者のサム・キミンスさん独占インタビューをお届けします