【最終回】特別配信!|社会が求める『ESG思考』
読みもの|5.25 Mon

 GW期間中、発案から実施まで正味3日間だったトーク配信企画。熱が籠っていたのは、そこに必然性があったから。
ファシリテイターを務めたみんな電力・長島の挨拶から、この最終回も始まります。

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すでに話題沸騰、売れ行きも好調な夫馬さん著『ESG思考』(講談社+α新書)が刊行されたことが、そもそものきっかけでした

  これからの社会に生きるすべての人が必要になる「ESG思考」。予定していた1時間では収まりきらないほど語った、オンラインイベント「『ESG思考』とみんな電力の想いとは?」記事も最終回となりました。
 イベントの終盤で著者・夫馬さんは「新しい時代に入っている」と語り、みんでん事業本部長・三宅さんも「対立構造ではない変化までもう少し」と語られました。
 実際にこの数ヶ月で、私たちの生活は大きく変わっています。予測が難しく変化の激しい現代において、私たちはどのような選択をするのか問われています。だからこそ、ファシリテーターの立場ではありましたが、イベントを通じて考えたことを、イベントの最後に語らせていただきました。
「私たちはどのような選択をするのか」
 全3回の記事を読んで、各々の立場から社会、未来について考えるきっかけになれば嬉しいです(長島遼大)。

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夫馬 ベンチャーキャピタル、つまり非上場の企業に投資をしている方々の中にも「ESG」という言葉が海外ではすごく出てきています。それは、彼らの資金も一時ほど潤沢ではない中で、選別して投資をしないとならない。その時に、コロナ禍にあって、やっぱり「社会に支持される企業って強いな」と。
 これから必要とされていくもの、サービスをつくっている企業は強いという感覚がそこかしこで増していて、その時「ESG」とか「インパクト」という言葉が多用されるようになってきています。ですからアフターコロナでも、ESGの感覚やインパクトを大事にできたスタートアップ企業が、それ以降の加速力においても、存在感を示せるようになります。
長島 若者が企業を見る目は、「この企業、本当はどれだけやってるの?」という視点で、実はかなり的確なんじゃないかと思っています。
 自分も若者の一人として、企業が若者層にどう見られるか、世界にはグレタさんのような存在も出てきた中で、そこはポイントになっていくんじゃないかなと。
三宅 若い世代と中年層の考え方の違いについては、わかる部分があります。
 それは、グレタさんが出てきた時に最初に反発したのはおじさんたちであって、自分たちがそれまでやってきたことを否定されたと思ったんです。

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長島 全員がそうとは言えないとも思うんですが、若者の方が、実はすでに小学校や中学校でそういうことを学んでいるという背景もあります。
 彼らは、大人がつけているSDGsバッジをどう見ているのか?
 大人が「やらないといけない」と思って義務的にやっていることを、子どもたちはすでに納得感を持ちながら生活しています。ですから、彼らが社会に出るタイミングで改めて大きな波がくるんじゃないでしょうか。
夫馬 世代間のどこに違いがあるのかというと、「今、どこに、どんな課題があるのか」ということに関する感度だと思うんです。
 こういった世の中の課題系の話に対して年が上の方々から出てくる反応として、「そもそも私たちのサービスは顧客からすごく喜んでもらっている」、「利益も上げて、社会のためにしっかり納税もしてきた」ということがあります。皆さんはそこを誇りに思ってらっしゃると思います。
 でもそこは若者に言わせると、「それだけじゃないよね」と。今時気候変動はもちろん、「格差の問題とか、どうするの?」と。いろいろな課題が山積みで、そこに対して手が打てているのか、それらを好転させられているか悪化させているか、そこを若い世代は見ています。
 今日本で、特にSDGsは、どれだけ社会に貢献しているか、プラスの効果についてばかりが語られています。かたやヨーロッパで政府から機関投資家から出ている政策は、「投資先企業が事業を通じて引き起こしているマイナス面に目を向けよ」と。今すでに起きている悪影響に対して目を向けられるかどうか、そこが日本に根づいてない部分ではないでしょうか。
長島 今日は、ESGやSDGsに関して先を行く海外に対して、対応が遅れがちな日本という対比のお話が多かったように思います。そこで、日本が世界のリーダーシップをとれる分野はないんでしょうか?
夫馬 コロナの問題を見ていてもすごいと思うのは、市民レベルで「外出しない」、「通勤しない」ということが早くできているということはあります。法令がこれだけグダグダでも、人々の努力とテクノロジーによる高い状況把握力で結構レベル高く対応ができていて、そこに底力があるのかなと。

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三宅 社会はここまで「自粛」という言葉で移動が制限されて、これが美徳とされてしまうと結構大変だろうと思います。早くモードチェンジに繋げて、これをバネに本当に変わる、捉え方によっては新しいことを考えるいいチャンスだと思うので、それがいいと思います。
長島 みんな電力がリーダーとして牽引できること、したいことはありますか?
三宅 最近、個人的には「小売事業者の方々との横の繋がりをつくっている」ということがあります。そこでは、「この業界をどう盛り上げていくか?」ということを皆さんと話していて、さすが経営陣の方々の意識は高いですし、お客さまとの長期的な関係をいかにつくるかが大事だと思っています。
 電気そのものは誰から買っても同じです。
 その時に、単なる価格ではない価値を、繋がりやコミュニティみたいな部分で深めていって、その先でみんな電力と付き合っていると「なんかいいな」、「気持ちいいな」と思っていただけるように努力していければと思います。
夫馬 僕はみんな電力に出会って5年くらいです。当時はこの「みんでん」でさえ、「再生可能エネルギーにどんな価値あるのか」みたいな議論を一緒にしていました(笑)。
 そこから始まって、日本の制度の中に問題もたくさんある中で、小さい存在ながらこの数年間で自民党、エネ庁、環境省に行って、CDPともすごく話して、サイズに関係なくちゃんとメッセージを出していってそれらが芯さえ食っていれば、実際に動いていくことを目の当たりにしてきました。国の法制度も現実にそれで変わってくるし、日本のRE100認定基準にすら、自分たちの考えが反映されることもあると。
 その部分は普通どうしても引きがちですが、そこでこそ自分たちでつくっていかないと、待っていても期待したい変化はやって来ないのが日本です。いい未来を長期的につくるには、ぜひ皆さんと一緒に動いていくことがすごく重要だし、お互いに協力していきたいなと思っています。

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長島 今日は2つあって、一つにはこのような状況下、企業として「生き残る」ということは大事だなと思いました。それは長期的視点だったり、ESGやSDGsの視点を入れて、結果的に生き残れるのかなということを感じました。
 もう一つは、もっとみんな電力が今後どうなるか、そういうことを話せる場をもっと増やしたいと思いました。それは、自分たちで発言することで自分自身が責任を持てるというか、その時は同時にできなかったことの批判もあるでしょうが、それが結果的に、この業界や日本全体を引っ張ったり、押し上げていくような気概を持って行きたいなと。
ENECT 今日は勇気づけられる、いいお話が多かった気がします。貴重なお話、皆さん本当にありがとうございました。
 例えば、「困ってる方にこそ手を差し伸べる」とか「社会に支持される会社が強い」、「与えている悪い影響にこそ目を向けられるか」という、もし実現できたら社会全体がグッと良くなるようなイメージが持てました。
 ただ、それらが実現する上で、それこそいいことばかりではなく、現実にはもっと越えなければいけない課題や問題もあるとも思います。ですから、あえてそのハードルの部分について、最後にお話願えるでしょうか。

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三宅 僕はそもそも「対立構造」はあまりよくないなと思っているんですね。
 それは例えば「国と企業」とか、夫馬さんの「オールドとニュー」みたいな、でもいつかはどこかで均衡点がくることは、オールドの方々もわかっているし、ニューの方々もつい攻め立てるような口調で言ったりしながら、本当は皆さん気づいていると思うんです。
 考えていること、見えていることは同じ。ただ、言葉や表現は違う、それもそれぞれに立場があったりするので仕方ないので、何にせよ、対立構造じゃない変化がもう少しでくるんじゃないでしょうか。過去5年でもすごく変わりましたし、今後5年も大きく変わるでしょうし、対立構造じゃない、それはそれこそ今回のコロナみたいなことがきっかけになるのかもしれません。
夫馬 今回の本には、すでに新しい時代に入っている、「ニュー資本主義」という考え方がすでに出てきているということを、できるだけ細かく書きました。オールドの方々は「そんなことあり得ない」と固執しがちなので、丁寧に30年間の歴史を紐解いて、誰でも理解できるよう心がけました。
 ですから、僕はこのコロナの時代でも「今や新しい時代に入っているんだよ」ということを言い続けたいと思っています。
 そして電力の話では、今年は第6次エネルギー基本計画の策定プロセスに入っていくことが決まっています。それはまさに、三宅さんも言う「新しい電力と古い電力がぶつかるタイミング」。それが今年で、環境省は今そこで再エネの巻き返しを試みていますが、やはり壁は厚い。
 ですから、ここでみんなが声を下げてしまうと、環境省も「やっぱり日本はダメかも」と根を上げてしまいます。ぜひ、環境省を応援する意味でも、まだまだ電源開発できるし、需要家も再エネが欲しいし、そういった声をどんどんあげていって欲しいんです。

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三宅 夫馬さん。次回があれば、テーマはぜひエネルギー基本計画について、やりましょう。

 

感性が敏感な今の若者たちが社会に出ていく頃になれば社会はおのずと変わっていくし、対立構造ではない、必然的な変革も
たぶんもうすぐそこ。希望を持てる話と共に、次回木曜の更新では、いただいた質問でQ&Aの回を設けました。お楽しみに

 

(取材:平井有太)
2020.5.4 mon.
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