【第1回】エネルギーをつくる造園会社
これは、横浜は栄区笠間の地で創業から50年以上を数える石井造園株式会社が発行するCSR報告書に毎回載っているコピーだ。
社員約10名の造園会社は3年前から発電をはじめ、その取引先をみんな電力に決めた。2代目社長である石井直樹氏は、「顔の見える発電所」の理念に賛同し、「最後まで自然エネルギーを供給するのはここだ」との想いで、判断したと語る。
氏に、造園会社として発電することの背景に何があるか聞いた。
実は、2月24日に「経営者環境力大賞」を頂けることになりまして、これは日刊工業新聞とNPO法人環境文明21によって選出される賞で、自身の「環境力」を自己評価した資料を提出し、選考を受けて受賞に至ります。
弊社がソーラーパネルを設置したのは3年前です。最終的に決断したのは、発電効率とか売電金額ではなく、自然エネルギーを活用した社会や環境に寄せる想いがあって、その想いを持つ企業としての「挑戦」という一念でしょうか。
みんな電力を選んだ理由を申しますと、自然エネルギーの推進による未来の社会や環境を、「同じ想いをもって併走してくれるパートナーになってくれるんではないか」と見込んでのことです。
そこを「環境ビジネス」と捉えてると、おのずと自然と環境を意識して、還境破壊をせずに維持、継続という方向性になっていくと思います。
私は長く、一般社団法人・横浜青年会議所の活動をしてきました。そこでは「サステナブルな取り組み」を実践し、「活性化された地域を次世代に渡していく」という理念を仲間たちといつも語ってきました。つまり、「次世代に良い環境地域を渡す」ということで合致するんです。
ですからCSRというものについて、すんなり「企業の社会的責任、地域貢献をまっとうしていこう」という気になったのは、ある意味で必然でした。
よく指摘されることですが、例えば「太陽光パネルをつけましょう」という事例に対して、「パネルをつくること自体、CO2を排出していないか?」ということ。未来を本当にサステナブルにするため、ここで排出されたCO2であり、このような課題を打ち消すためのカーボンオフセットであるわけです。
実は、みんな電力さんにもこのカーボンオフセットを行ってもらい、どうしても排出されてしまうCO2を間接的に吸収して欲しいと思っています。みんな電力自体が企業活動をしていく上で、排出されるCO2は微々たる量かもしれませんが、是非、カーボンオフセットの実装を願います。
公共工事は、横浜市によるものが大半ですが、我々は、請負業者として業務を行い、様々なやりとりの中で「石井造園の品質で作られた工作物は、カーボンオフセットによりCO2排出量が打ち消されたものとなっております」ということを、アピールしています。
この活動が未来の環境にとっていかに尊く、意味のあることなのかということを広く周知するのは、もう少し時間がかかるのではないでしょうか。