顔の見える積み木
¥15000
税込
今すぐ購入

お子さんのいるお家に必ずある、積み木。
その積み木は必ずどこかで伐採され、運ばれ、加工された一本の木からできています。
では、私たちのどれだけが、その木が生えていた場所や、伐採・加工した生産者のことまで想像できているでしょうか?
”顔の見える”積み木を辿っていくと、まず浮かび上がるのは「木と土と、生きる。ていねいに、生きる。」との言葉を自身のHPに掲げる、アトリエデフさんでした。

暮らしを提供する会社

アトリエデフ・大井社長は語ります。
「『顔が見える』ということは、僕らが家づくりで大事にしているトレサビリティと一緒です。
家づくりの素材の先、それがどこの山で生産者が誰なのか、履歴がわかるものしか使わない方針でやっています」
長野県上田市を拠点に、地方都市では丁寧な家づくり、都市部ではぬくもりの伝わる国産木材を使用したリノベーションを手がけるデフさん。ただ、家づくりから見えてくる問題もあります。
「家を建てるだけでは、その人の暮らし、生き方は変わらない。『これじゃあ環境は変わらない』ということで、10年ほど前から『私たちは暮らしを提供します』と言うようにしています」
そもそもなぜ、家づくりの会社が高い環境意識を持つにいたったのでしょう。

家族に化学物質の影響

「それは、サラリーマン時代に建てた自分の家がきっかけでした。その家は最新の新建材ばかり使って、化学物質だらけだったんです。家族がその影響でアトピーやアレルギーになってしまった。そこから勉強もして、その中で見えてきたのが『日本の山』でした。
ところが山が、環境問題で非常に疲弊していたんです」
ご自身の経験と問題意識に、実直に向かい合ってこられた大井社長。
「『山を守る』のは、すべてはそこで完結すると思っているからです。山がよくなれば、川もよくなる。川がよくなると里、つまり僕たち人間の暮らしもよくなる。そして水は川から海に流れていきます。山からすべてを循環させると、人間も動物も植物も健康になります」

志を共有できる会社

そんなデフさんが全幅の信頼を寄せるのが、宮城県栗原市を拠点とする「くりこまくんえん」さん。当時多くの材木店に声をかける中で、答えてくれたのはくりこまさんだけだったといいます。くりこまさんには今、こだわりの工務店からの指名が来るようになりました。
同社は、「きれいな山を後世へ引き継ぎたい」との想いを胸に、林業から製材・加工までを自社一貫体制で実現。伐採から製材までを手がける会社は希少です。端材も捨てることなく、カンナくずも最後は木質ペレットにし、加工は接着剤なども一切使わず、圧縮熱と木の持つ成分だけで成形されている為、猫砂ペレットとして使う遠方からのリピーターもいます。

くりこまさんのこだわり

普通、木は一気に高温乾燥し、すると木は木としての性質を失います。高温乾燥でプラスチックのようになってしまうところ、くりこまさんは手間と時間をかけ、燻煙処理+天然乾燥、60度程度の人工乾燥でじっくり乾燥します。その丁寧な姿勢を知るほどに、デフさんとの連携が必然的なものであることを感じます。

くりこまさんは山の循環を考え、山主さんに頼まれて木を切る際も、補助金などを使って植林させてもらえるよう働きかけています。今やくりこまさんなくして、デフさんの取り組みもみんでんが運営するみらいの森も、成り立ちません。

積み木に払ったお金ができること

山を守るため、私たちの日々の生活から一緒につくってくれるデフさん。そしてそのデフさんの志に応える木材を揃える、くりこまくんえんさんがつくる積み木。
今回はさらに、ロット番号で木を伐採した日付け、人、加工担当者、加工の内容まで、すべてがわかるようになっています。木材にここまで詳細なトレーサビリティを付けるのは、かつてない試みです。

まとめ

疲弊する一方の日本の林業、壊れていく山の環境。「顔が見える」効果を十二分に活用し、地域や山主までをも巻き込んだ循環型経済で再生させる積み木。もちろん天然素材と自然加工で、健康への影響も皆無です。
お子さんやお孫さんへのプレゼントに、いかがでしょうか。

#山の循環 #林業 #積み木
SHARE: Twitter Instagram

記事を作った人たち

タドリスト
平井有太
エネルギーのポータルサイト「ENECT」編集長。1975年東京生、School of Visual Arts卒。96〜01年NY在住、2012〜15年福島市在住。家事と生活の現場から見えるSDGs実践家。あらゆる生命を軸に社会を促す「BIOCRACY(ビオクラシー)」提唱。著書に『虚人と巨人』(辰巳出版)など