TADORiでは、アトリエデフさんがつくる家具・食器「木ずな」の取り扱いを開始します。
初期の頃からみんな電力の電気を使ってくださり、長野や山梨ほかを拠点に、日本の木にこだわって家をつくる工務店・アトリエデフ。商品は、貴重な国産木材で、本業の家づくりで余った端材からつくるため大量生産はできないし、時間がかかることもある。でも、そこにしかない温もりや想いが、ひしひしと伝わってくるものでもあります。
そもそもアトリエデフ創業のきっかけには、代表・大井氏の経験した日本の家の問題、そしてその解決方法を辿っていった先で行き着いた「山」がありました。
氏は、こう語ります。
「サラリーマン時代に自分の家を、最新の新建材を使い、化学物質だらけでつくってしまって、家族がその影響でアトピーやアレルギーになってしまったことがありました。
そこから化学物質を使用しない素材を探して、その中で見えてきたことが、何よりも日本の山が環境問題で、非常に疲弊しているという現実。全国の山を巡ってみて、もちろんいい山も中にはあるものの、その多くが荒れ果てている。『これは何なんだろう』と、いろいろな環境問題が見えてきました。だから私たちは事業を通じて、お金と、そうじゃない自然の中での暮らしのバランスを提供しています」
そういった創業時の想いと、実践から学ばれた問題の解決策は、会社の運営方針にも反映されている。
「大事なのは、『自分たちが泥まみれになって動くことだよね』と。机の上で議論を述べるのとは違う、『僕らはやっぱり身体で示そうね』ということでやっています。そして、それが信頼に結びついてきたのかなと思っています。
ウチでは女性もチェーンソーで木を切るし、畑を耕し、皆で竃(かまど)でご飯を炊いて、食べる。お客さんは、僕らが日々やっているそういったことを見てくれているだけなんです」
木ずなの家具や食器を使うことがそのまま、疲弊する日本の山に想いを馳せ、少なからずその保全につながり、失われつつある日本の里山の景観を守ることになる。
山の大切さについて、氏は続けます。
「『山を守る』ということは、すべてはそこに完結すると思っているから。山がよくなると、川がよくなる。川がよくなると里、つまり私たち人類が暮らしているところがよくなる。そして川から水は海に流れていきます。
一番の主流が山だと思っていて、そこからすべてが循環して、人間も動物も植物も健康になる。私たちの『全部を循環する仕組み』という中に、エネルギーだってもともと組み込まれていました。ですので、電力の役割も、大きいと思っています」
かねがね、みんな電力のあり方についても的確で厳しい、しかしとても優しいご指摘をくださるアトリエデフさん。生み出された食器は、長野県で新たにはじめられた子ども食堂でも使われています。
日々使うことで、本当の豊かさとは何かを語りかけてくる木ずなの家具や食器。あなたの生活に、いかがでしょう。