気象予報士がタドる空の魅力vol.3「ポコポコ雲の正体とは?」
読みもの|8.19 Thu

青い空に、小さいバニラソフトクリームのようなポコポコした雲が浮かんでます。

夏を代表する雲、並雲(なみぐも)といいます。
積雲の雲種の1つです。

https://twitter.com/arakencloudからの引用

雲にはいろいろな名前がありますが、国際気象機関:WMO(World Meteorological Organization)が発行した「国際雲図帳」をもとに決められた10種類が基本になっています。雲が浮かぶ高さや雲の形によって、おおまかに10種類に分類されます。その10種類の1つとして「積雲」があり、積雲の中にもいろいろな種類があって、写真のようなポコポコした雲を「並雲」と呼びます。俗称“わた雲”です。

私は、“カミナリグモの赤ちゃん”と認識しています。というのも、大気が安定しいると、並雲は、消えてしまいますが、大気が不安点だと、入道雲に発達して、雷雲になる可能性があるのです。

photo by Kyo Paxi Satani

雲の正体は、水や氷の小さな粒が集まったものです。地上の空気が上空に押し上げられると、空気中に含まれている水蒸気(水の気体)が冷やされて水や氷になり、それが雲として見えます。

夏は、日射で、地面が熱せられ、あちこちで空気が上昇します。なので、このような積雲は夏のよく晴れた日中に見られやすいです。

photo by KojiYoshida

そして、写真のように、同じ高度にポコポコできるので、見つけやすいです。

綿菓子のような雲のままだと、いいのですが、『対流』が盛んに起こって、かわいい積雲たちがくっついたりして、どんどん大きく成長すると、雷雨をもたらす雲にもなるのです。息子に説明したら、「実は恐ろしい雲なんだね、知らなかった」と。詳細は、次のコラムに書きますね。

天気が良いからといって遊びに行ったのに、突然の大雨にあうことが多いのもこの季節。

暦の上では秋ですが、このような夏の雲、観察していると変化が多いです。ぜひ、空を眺める時間をもってみてください。

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記事を作った人たち

タドリスト
スイトケイコ
気象予報士・保育士・3児のママ。「空をみあげるお母さんを増やそう」を合言葉に活動。子育てに役立つお天気講座を開催。イベント出展や自然エネルギーの啓発、普及に携わる等、活動は多岐に渡る。