省エネ家電に買い換えて本当に元が取れるの!?シミュレーションをしてみよう
省エネ家電に買い換えて本当に元が取れるの!?シミュレーションをしてみよう|まおさんちのエコ育と省エネ実践ノート
夏はエアコンを使うのでどうしても電気代が高くなりがち。無理に省エネしようとしてエアコンを使わない生活を送って熱中症になって倒れる事故も起きており、地球温暖化による連日の猛暑日が年々厳しさを増しています。
省エネ行動には電気の使用を控える「節電」だけでなく、省エネ性能の高い家電に「買い換える」ことも重要だと皆さんはご存知でしたか?とはいえ、今の家電は高いし、元が取れるのかわからずなかなか手が出せませんよね。そこで今回は省エネ家電選びにとっても便利なツール「しんきゅうさん」をご紹介します。
「しんきゅうさん」とは、今持っている家電製品を省エネ性能の高い製品へ買い替えた時、どのくらい電気代が節約できるのかをグラフでわかりやすく示してくれるウェブツールです。また最新の省エネ家電同士の性能比較ができるので、どれを買ったらいいのか悩んでいる時はかなり参考になります。
省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」
http://shinkyusan.com/
このツールを使えば電気代をいくら節約できるかわかるので、購入した場合何年で元が取れるかの計算も簡単です。今回はこの10年間でどれくらい省エネ性能が上がったのかを、簡単にできる省エネのポイント(※1)と合わせてご紹介しますね。
メニューの「どれどれ比較」から、最新家電のうち一番消費電力量が小さいエアコンを調べてから、「かんたん比較」でそのエアコン(日立製/型番RAS-X22F/6~9畳向けのもの)と10年前の同社のエアコンを比較してみたところ…
年間の電力消費量や電気代は10年前の約7割になり、なんと1年で約7000円ほど節約ができちゃうことがわかりました!
エアコン簡単省エネポイント
・月に1〜2回フィルター掃除をすると年間で約860円の節約になります
・毎日の使用時間を1時間短くすると、冷房の場合年間約510円、暖房の場合は約1,100円の節約になります
設定温度を上げることでも大きな節約になりますので、最近では省エネ性能の高いファンとエアコンの併用も増えてきていますね。
最新家電のうち一番消費電力量が小さい冷蔵庫(日立製/型番R-F440F-SH/400~450リットル)と、10年前の同社の冷蔵庫を比較してみたところ…
年間の電力消費量や電気代は10年前と比べて最大半額程度になります!これには驚きですね!
冷蔵庫簡単省エネポイント
・壁にくっつけず、適切な間隔で設置するだけで年間約1,220円もの節約ができます
・庫内の設定温度を季節によって適切なものに変えましょう。「強」から「中」にすると年間約1,670円節約できます
冷蔵室はなるべく物を少なく、冷凍室は物をぎゅうぎゅうに詰めるのは基本テクです!
液晶テレビ(42型)の最新家電のうち一番消費電力量が小さいパナソニックのテレビ(型番TH-42C300)と10年前の平均的な液晶テレビの数値を比較してみたところ…
なんと10年前のものと比べて3割弱にまで下がりました!ちなみに10年前の同じ大きさのプラズマテレビから液晶テレビに買い換えた場合はさらにもう10%数値が下がりました。
テレビ簡単省エネポイント
・画面を明るすぎないように調整する(最大→中間)と、液晶の場合年間730円、プラズマの場合4,100円もの節約になります
・テレビを見る時間を1時間減らすと、液晶の場合年間450円、プラズマの場合1,530円の節約になります
最近のテレビは主電源を消さなくても低電力に抑えるように設計されていますが、なるべく主電源から消すようにしましょう。
一般的な60形の電球の消費電力は54W、これをLEDに買い換えると約80%の省エネになると言われています。さらに、一般電球はランプの寿命が約1,000時間なのに対し、電球形蛍光ランプは6,000~13,000時間、電球形LEDランプは40,000時間と圧倒的に長持ちです。電気代と買い替え費用を入れても、下のグラフの通り10年間でかなりの差が出ます。
照明簡単省エネポイント
・「一部屋に一つの照明」でなく、「多灯分散照明(一つの部屋に複数の照明器具を配置する照明方法)」でワット数を抑えて必要な箇所だけを照らすのがイマドキ
使わない部屋の電気はこまめに消すのも大事ですが、蛍光灯は点灯時に一番電気を消費する上に負荷がかかるので、頻繁にスイッチのオンオフを繰り返すと寿命を縮める原因にもなるので注意しましょう。
ところで、省エネって冷暖房を多く使う夏と冬に効果が出やすいこともあり、その時期は頑張って取り組む方が多いのですが、春と秋には省エネ行動をしていないという方が多いのだそうです。無理に冷暖房の使用を控えるといったような家電の使用を我慢することで効果を出すのではなく、なるべく楽をして年間通して省エネを継続していきたいですよね。
年間を通して無駄になっている電力といえば、「待機電力」です。家庭での消費電力量の6%がこれにあたるそうです。たった6%と思う方もおられるでしょうが、家電製品の待機電力を全て削減できた場合、年間で約6,500円も節約できるそうですよ!
わが家ではスイッチ付きの延長コードを複数利用して、スイッチのついたコンセント部分を一箇所に集めることで、面倒くさがらずにこまめにオンオフできるようになりました。キッチンなどの狭い範囲ではかなり有効です。手が届くようであれば、エアコンのコンセントもオフシーズンには抜きましょう。注意点としては、再び使う際にはコンセントを挿してからすぐに起動せず、1日経ってから起動することでエアコンへ負荷がかからず長持ちするそうですよ。
新しい家電で気持ちよく省エネを楽しめるって素敵ですよね。我慢したり無理せずに無駄を省く工夫をしながら、効率よく節電しちゃいましょう。たった数年でも省エネ性能が大きく進化している家電もあるので、調べてみるだけでも楽しい「しんきゅうさん」をぜひ試してみてくださいね。
※1 資源エネルギー庁「家庭の省エネ徹底ガイド」より抜粋
http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/more/img/home-ecology.pdf
<参考>
始めよう!あかりの省エネ - 一般社団法人 日本照明工業会
http://www.jlma.or.jp/akari/
しんきゅうさん
http://shinkyusan.com/
みんなで節電アクション! - COOL CHOICE 未来のために、いま選ぼう。
https://funtoshare.env.go.jp/setsuden/home/saving02.html
ライター紹介
吉田茉央(よしだ・まお)
ライターやモデルとして活動している家庭の省エネエキスパート・診断級の資格を持つ一児のママ。ジョシエネラボ立ち上げメンバーの1人。元エネドル省エネ担当。
https://tadori.jp/note/about_joshiene/
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