【第2回】エネルギーをつくる造園会社
「新しいことを仕掛けないとという強迫観念もある」と笑う石井直樹社長の新しい取り組みは、特許もとったこの壁面緑化の技術だった。例えば昨年のよこはまグッドバランス賞、本年度の経営者「環境」大賞受賞など、石井造園の取り組みは常に注目を集め、高い評価を受けている。
マイナスイオンで満たされた部屋で、お話を伺った。
でも、未来に向けての一手を表現することで、地域の子どもの教育、環境などへの成果は結果としてついてきます。石井造園が将来に向けての一手をすることにより、行政に何らかの影響を与える、そんなフットワークの軽い町。
政令指定都市じゃないところは別として、横浜市くらいの規模で大々的に動くとなると「石井造園の動向を見て次の一手を決める」ということがあり、ある意味リーディングカンパニー的な存在かと感じています。
今後、自然環境に配慮されてつくられた施設、想いなどを利用者に伝えてくれる行政関係者がいてくれたら素晴らしいなと思います。
先日、横浜市温暖化対策統括本部の方が弊社に来られ、話をする機会がありました。弊社の環境に対する取り組みの意味を理解していただき、「そういうことだったんですね」と言ってくださいました。
さらに理想を言わせてもらうと、「エネルギーも地産地消すべき」と思っています。その理想が現実となった時、行政との協力関係は必須なんです。
私は「企業価値を上げること」が大切だと思っています。
それが正当に評価され、実現していくことで皆に還元できるし、社会にも還元できる。そうして、幸せの共有へと繋がっていくわけです。
「これって素敵じゃない?」という私たちの提案が、知らない人に真似されて、実現してるように見えることはあります。たとえそれが真似であったとしても、それはそれでいい。
例えば同じことでも、それが政策になって実現した時の広がり方は、私たちの発信力より公平に伝わったりするわけです。だから発信者が誰であれ、それならそれで「どんどんやっていこうよ」っていう考え方であり、流れでしょうね。
実は弊社は「伐採材の再利用」ということで、伐採材の薪への利用をやっています。通常業務としてはリサイクル工場へ持っていき、肥料・コルクなどとして再利用されるのですが、石井造園では夏場のBBQや冬場の薪ストーブ利用者へ向けて、なんと「積み放題500円」というかたちで薪を提供しています。それはつまり、「地域の有価物CO2が削減された燃料」という意味合いです。これが常に在庫切れという人気で、薪の争奪戦がすごいんです。
そういった地域に根ざした活動を通じて、環境経営に力を入れ、社会への発信を続けていきたいと思っています。