2020.08.04
レジ袋有料化はなぜ始まった?環境負荷は?|まおさんちのエコ育と省エネ実践ノート 2020年7月より始まったレジ袋の有料化。何ヶ月も前から店頭にポスターが掲示されていたり、少し早めにレジ袋を有料化していたスーパーもありました。感染症などの国内情勢も合わさって、7月に入りいざ有料化が始まるとSNS上では批判の嵐。ニュースにも売れ筋のエコバッグの紹介記事と批判的な立場の記事を見かけてなんだか複雑な気分です。(2020年7月中旬執筆時現在) ところでなぜレジ袋が有料化されたのか、その目的を知っていますか?
レジ袋有料化はなぜ始まった?
有料化の対象外となるプラスチック製買い物袋がある
レジ袋からマイバッグに変えたときの気になる環境負荷は?
エコ好きママたちのマイバッグ
レジ袋は今後どうなる?
レジ袋は脱プラのきっかけ!普段の生活に広げていこう
娘もマイバッグを持ち歩く癖がついてきました。私よりしっかりしている・・・。
経済産業省の専用サイトによると、「廃棄物・資源制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化などの課題から、プラスチックの過剰な使用を抑制し、賢く利用していく必要がある」ために「全国でプラスチック製買物袋の有料化を開始」したとあります。 さらに、「普段何気なくもらっているレジ袋を有料化することで、それが本当に必要かを考えていただき、私たちのライフスタイルを見直すきっかけとすることを目的」としており、環境への大きな影響を期待しているわけではないのです。
紙袋や布袋は有料化の対象外ですが、プラスチック製のレジ袋でも無料で配れるものがあるそうです。 1)プラスチックのフィルムの厚さが50マイクロメートル以上のもの 繰り返し使えるから、プラスチック製買物袋の過剰な使用抑制に寄与できるため 2)海洋生分解性プラスチックの配合率が100%のもの 微生物によって海洋で分解されるプラスチック製の買物袋は、海洋プラスチックごみ問題対策に寄与できるため 3)バイオマス素材の配合率が25%以上のもの 植物由来がCO2総量を変えない素材であり、地球温暖化対策に寄与するできるため また、医療機関など対象外の施設もあるようです。とはいえ、今やどこに行くにもマイバッグ持参が当たり前となりそうですね。
総務省の資料によると、日本から毎年排出される廃プラスチックのうちレジ袋が占める割合は2%程度です。また、海洋プラスチックごみの全体の容積のうち0.3%と言われています。 次にレジ袋を紙袋やマイバッグにおきかえた時の環境負荷を調べてみました。 ■レジ袋と紙袋 レジ袋に使われている「ポリエチレン」は石油をガソリン、重油等に精製した際に必然的に発生するもので、これを有効活用するためにポリ袋が作られるようになり、買い物の際のレジ袋として活用されてきました。あれ、すでになんだかエコのような…。 製造にかかるエネルギーは紙袋に比べて7割ほど、製造に必要な水の量は紙袋の25分の1ほど。さらに輸送に必要なトラックの量は紙袋の7分の1。 ■レジ袋とマイバッグ まず前提条件として、レジ袋は重さ3g、ポリエチレン100%のもの、また、マイバッグはポリエステル100%、約30gの袋で比較しています(2009年日本LCA学会研究発表会資料より)。 これらの原料調達から廃棄処分までのCO2排出量を比べると、マイバッグはレジ袋1枚の約50倍だそう。これは、重量が10倍あることや、ポリエステル生地製造・製品加工にかかる環境負荷が段違いに重いためです。同調査によると、レジ袋よりも環境負荷をかけずにマイバッグを使うために今私たちができることは、なるべく同じマイバッグを繰り返し使うことしかなさそうです。
わたしの愛用品です。半年以上使ってるから使用感がすごい!笑
わたしが使っているマイバッグはスリーコインズで売っていた、中に保冷シートのついたキャンバス生地のトートバッグです。外観が普段使いのバッグとそう変わりないので買い物の予定がなくてもとりあえず持っていけます。自転車のかごにぴったり入るサイズだし、生地が分厚くしっかりしているので耐久性がありそうです。 また、ジョシエネラボ内では風呂敷を活用しているママも。バッグの中でかさばらないし、どんな容量にも対応してくれる上に違う使い方もたくさんできますよね。Tシャツのお腹部分にポケットを作ってちょっとした買い物に対応したいという声も聞きました(笑)。 子どものいる家庭では、子ども専用のマイバッグを用意してあげると、環境教育のきっかけになったり、お買い物のお手伝い喜んでしてくれるようになってママも楽ちんですよ。わが家でも折り畳めるマイバッグをお揃いで用意しているのですが、買い物に行くたびに持っていかなきゃ!と張り切っています。
国内では既に販売店向けに、有料化の対象外となるバイオマス素材の配合率が25%以上のレジ袋などが市場に出回っているのを見かけるようになりました。新しい市場の開拓が期待される一方で、環境負荷の問題だけでなく、環境・人権問題なども気になるところです。 2008年からレジ袋を有料化している中国では、物価上昇の中でもレジ袋の価格は据え置きで相対的に安くなっていることなどから、マイバッグを持参する人よりレジ袋を買う人のほうが増えているようです。2020年は新型コロナウィルスの流行も重なり、同じ袋を使い回すほうが危険では、という世界的論調もあり、今後の動向が気になります。
いろいろレジ袋について説明してきましたが、忘れてはいけないことは、レジ袋の有料化はあくまで私たちがプラスチックごみを減らそうという意識を作るきっかけだということ。今も日本の海岸には細かくて拾いきれないほどの海洋プラスチックごみが流れ着いています。海なので日本だけが気をつけていても仕方ない話なのは当然ですが、だからこそ世界中のみんなで脱プラの流れを大きくしていく必要があります。このままだと2050年には魚よりごみの量が増えると言われています。子どもたちの明るい未来のためにも、日々の生活の中で、少しずつプラスチックを減らしてみようと意識してみませんか? 【参考】 ・プラスチック製買物袋有料化 2020年7月1日スタート(METI_経済産業省) https://www.meti.go.jp/policy/recycle/plasticbag/plasticbag_top.html ・病医院はレジ袋有料化の対象外、自主的な取り組みは推奨:日経メディカル https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/hotnews/int/202007/566358.html ・「レジ袋有料化について」環境省環境再生・資源循環局総務課リサイクル推進室 https://www.soumu.go.jp/main_content/000686969.pdf ・「プラスチックを取り巻く国内外の状況」中央環境審議会循環型社会部会プラスチック資源循環戦略小委員会 https://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-03/y031203-s1r.pdf ・脱プラ、脱ポリ、紙袋へ切り替えをご検討のお客様へ_1958年創業のポリ袋製造業_清水化学工業 http://www.shimizu-chem.co.jp/message.html ・LCAを考える~「ライフサイクルアセスメント」考え方と分析事例~ 一般社団法人プラスチック循環利用協会 https://www.pwmi.or.jp/pdf/panf6.pdf ・中国がレジ袋有料化から12年もたつのに「プラごみ排出量」が増えた理由 _ 消費インサイド _ ダイヤモンド・オンライン https://diamond.jp/articles/-/234190
ママモデル、ライター、Webディレクター、宅建士など幅広く活動している一児の母。東京都在住。出産を機に、親子で学べる環境教育、暮らしに役立つ省エネやエコアクション、SDGsに関する情報発信をしている。省エネ・脱炭素エキスパート検定【家庭分野】取得。「わかりやすく、親子で楽しめる」をモットーに、SNSや企業サイトで執筆活動中。 https://www.instagram.com/mao.chiffonxchiffon/
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