【第2回】フジロック、NGOヴィレッジについて
今年夏、フジロック20周年の節目に参加させていただいた、みんな電力。
今回はフォーカスをエネルギーにしぼり、電力自由化がそもそも持っている可能性。中島さんの視点から見た、そこでみんな電力が担える役割。最後には、フジロックとみんな電力の協同によって見えてくる、または目指すべき、新しい社会のかたちにまで話は及びました。
関わらないで生活ができる人のいない「電力」が本来持つ可能性と、ワクワクする未来のお話、お楽しみください。
忙しく、年間60ものフェスやイベントに環境担当で参加する、まるで生き字引き、中島さん
ごみは減らしやすいのですが、イベントにおける電力を減らすのは難しい問題。省エネも中々しづらいので(笑)、ごみとエネルギーの問題は常に、一緒に考えていかないといけないことだと思うんです。
NGOヴィレッジ、ドーム前でのトークにはみんな電力・大石代表(向かって右)も参加
しかし同じ時間帯には、一番のお目当てザ・クロマニョンズがヴィレッジから遠い、レッド・マーキーで、、
フジロック自体、「自分たちがフェスの先駆者だ」とか、そういうつもりはまったくないと思うんです。でも、せっかくやる取り組みならそれが「いい」もので、色々な人たちに使ってもらいたい気持ちで、「そのための実験場所」という意識は強いかもしれません。
例えば2005年にバイオディーゼルを始めた時も、当初なかなかレンタル会社がOKしてくれませんでした。自分たちの責任で「何かあった時は弁済します」ということで始めたんです。だから、誰かがそういう覚悟で実証実験をしてこその広がりだと思うので、そのきっかけになればと思っています。
そこをもってパイオニアとしてのやる気や覚悟、矜持という風に言えるとしたら、そうかもしれませんね。
福島から、親子が放射能を気にせずのびのび遊べる巨大インドアパーク、CHANNEL SQUAREも
例えば僕は、祇園祭で、「祇園祭ごみゼロ大作戦」というプロジェクトをやっています。街中の露天で使われている使い捨て容器を、再使用できるリターナブルなものに替えたり、ごみを分別回収したりしています。そうして6、70万人が来るイベントの中でお客さんの声を聞いてみると、まだまだ「リサイクル、リユース」など知らない人が多かった。「フジロック来場者の意識の高さ」を、日々実感しています。
それこそ「ごみを出せばコストが上がり、出さなければコストが下がる」といった、当たり前のことを当たり前に実施することが大切ではないかと思っています。
例えば、「環境に配慮した取り組みを行わないと会場を借りることができない」、「環境配慮行動を行っている来場者は得をする」といった仕組みの設定が大切になってくると思います。
一番は「いい成功事例をつくること」なのかなとも思います。それこそフジロックがいい成功事例になって、「うちでもバイオディーゼル使おうかな」みたいに広がって、それが模倣モデルになるといいなと思っています。いいものはどんどん真似して広がっていけばいいんです。
どう広がるかは、一つにはしっかり「わかりやすいモデルをつくり続けること」だと思います。ただ太陽光パネルをたくさん並べてどうこうではなく、ちゃんと太陽光でつくったエネルギーをバッテリーに充電して、それをどう使えるか。そこはお客さんも、キャンプサイトで本当にエネルギーを自活できたり、それらが実現することで違ってくるかなと思います。
丸めて持ち運べる、みんな電力の製品「solamaki」をステージで紹介させていただきました
年始にsolamakiウェアを贈呈し、それを発端に一緒に曲をつくったLee”SCRATCH”Perryさん
イベントが終わった時、運営スタッフから「来年もぜひスタッフをやりたい!」という声があがり、「来年はもっとこうしよう」というアイディアが活発に出てくるイベントは、結果的に、主催者、来場者すべての期待に応える「効果の高いイベント」として、息長く育っていきます。
僕らが目指すのは、そういうイベントです。