地域の環、子どもの居場所と未来をタドる。
読みもの|5.24 Tue

TADORi ONLINE STOREにて、タドれる応援金プロジェクト第二弾「こどもと森の未来プロジェクト」が始まります。今回お取り扱いする株式会社アトリエデフの「環と環」の商品の応援先として選ばれた「NPO法人こどもの未来をかんがえる会」では、地域の方々と繋がりを広げながら、子どもの居場所「カフェ&スペースひこうせん」で、放課後の子どもたちを迎え入れています。環境省や経済産業省、長野県副知事としてもご活躍された、代表の中島恵理さん(以下、中島さん)にお話を伺いました。

ーこどもの未来をかんがえる会では、どのような活動をされているのでしょうか?

主な活動は、子どもの居場所づくりです。月水木金の週4日放課後に、ここ「カフェ&スペースひこうせん」で、子どもたちが、自由に勉強したり、遊んだり、様々な活動をしています。毎回、二人のスタッフが学習ボランティアとして、一緒に遊んだり、勉強を教えたり、温かく見守っています。

月に一回、「アトリエはなうた」という、アートセラピーも行っています。こちらは不登校だったり、発達障害を持つ子どもも参加し、アートを通じて子どもたちの表現力、創造力と心の声を聴く力を育むワークショップを行っています。

また、町から委託を受けて不登校のお子さんなどに月曜日と金曜日にお弁当を届ける「わんぱく弁当事業」も行っています。「カフェ&スペースひこうせん」のカフェで、その日食事提供を担当しているスタッフがお弁当をつくり、私たちメンバーがお弁当を子どもたちの自宅に届け、温かく見守る取り組みを行っています。

環と環の循環皿を手に取る、中島さんと子どもたち

ーこどもの未来考える会は、どのようなきっかけで始まったのでしょうか?

東日本大震災の後、放射能からその子どもたちを守るために、給食に含まれる食品の放射能物質を測定しようということで、お母さんたちが中心に集まったことがきっかけでした。

その後、食を通じて子どもたちを応援するため、町の中心部の公園公民館を借りて大人は300円、子どもは100円という形で、食事を提供するフードイベントを行っていました。

このような取り組みをする中で子どもたちを継続的に支援するため拠点を構えたいと考え、様々な場所を探していました。その中で、この場所が空き店舗として空いていたため、助成金を獲得して、この場所を借りてこどもの居場所づくりを始めたのが、2年前の8月ですね。

現在、貧困や不登校、発達障害ですとか、様々な課題を抱えているお子さんや家族も多く、このようなお子さんを応援することを含めて、すべてのお子さんを対象にした居場所をつくりたいという思いで、この場所をオープンしました。

同時に、女性がその人らしく輝く場所もつくりたいということもあって、カフェをやっています。去年の10月からシェアカフェ方式を取り入れ、3人の女性の方に交替でカフェでこだわりのメニューを提供してもらっています。

AlgAe(アルジー)さん作、ベトナム風サンドイッチとLivingthing as They Areさんのヴィーガンデザート

ー他にはどのような方々が、運営スタッフとして働いているんですか?

現在、10代から80代まで多世代の20名ほどの、運営スタッフがいます。学生さんから、子育て中のお母さん、お父さん、おばあちゃんなど、子どものことが大好きなメンバーです。

例えば、私たちが行っていた子どもたち向けのフードイベントをやっている際に、農家の方からジャガイモを使ってくださいとの申し出があり、その農家の方がその後スタッフになってくださいました。

また、「実は自分が不登校の経験もあるから活かしたいです」と入ってくる方や、「将来学校の先生になりたいから子どもたちと関わりたい」というきっかけで入ってくる若い世代の方もいます。

ー中島さんご自身が入ったきっかけは、何だったのでしょうか?

私も子育て中の母親で、お母さんの友達が欲しかったこと、また、一人の子どもを持つ親として、このような地域の住民で温かく見守る子どもの居場所をつくりたいなという思いがありました。

取材時の中島さん

ー中島さんのプロフィールを拝見し、「環境」や、「女性」、「地域のつながり」という3つのキーワードを軸に活動されている印象を受けました。

環境保全は自分の仕事で長く携わってきましたので、環境の視点は大事にしたいです。

例えば、「カフェ&スペースひこうせん」の一部は、リユースコーナーになっていて、制服のリユースなどをしています。

地域の方にも来ていただきたいので、地域で使わないものがあれば、それを地域で必要とする人にお届けするリユースで、人と人とをつなげる取り組みをぜひやっていきたいと思っています。

また、こども向けフードイベントの際には地域の使われていない食材をあつめる、フードドライブの活動もしていました。

自然素材の消毒剤として、地元のハーブ農園さんが作ったハーブウォーターを購入しました。その、ハーブ屋さんにひこうせんに来ていただいて、ハーブのことを子どもたちと一緒に勉強をし、自然の香りを通じた子どもたちの癒しの場づくりなどに取り組んでいます。

地元のハーブ農園のラベンダーとナチュラルラベンダーウォーター

ー環境問題は、今になってやっと何をするにしても重視されるようになりましたが、中島さんは何をきっかけに、興味を持たれたのでしょうか?

私が大学時代に、ちょうど地球温暖化の問題が深刻になってきました。その中で、環境保全に関わっている人たちがとてもパワフルで、たくさんのエネルギーをいただき、様々な環境活動に関わるようになりました

アトリエデフの皆さんもすごくパワーのある皆さんですし、こどもの未来をかんがえる会も、本当に元気なスタッフさんばかりです。

深刻な環境問題だけれども、それに取り組む皆さんが元気で、そういった方々と繋がれるのも楽しいですね。

ー「環境」や、「女性」、「地域のつながり」の視点から、様々な活動を通して子どもの居場所づくりに努めていらっしゃいますが、課題はありますか?

そうですね。一番大変なことはやはり、「継続」ですね。

このスペースを借り、子どもの居場所として提供することに相当のお金がかかるため資金的な面での継続が大きな課題です。

また、学習支援は有償のボランティアで行っているため、こういった形(TADORi ONLINE STORE応援先)で寄付していただけることは、非常にありがたいです。

学校の作文に、「この居場所があってよかった」と書いてくれた子どもがいて。

子どもたちのために、このような環境をつくり続けたいです。

学生スタッフと子どもたちの様子

ー今後、こどもの未来をかんがえる会で、実現したいことはありますでしょうか?

いろんな地域の方達と連携して、子どもたちの多様な学びの場をつくっていきたいと思っています。

今年の取り組みとして、アトリエデフさん竹林整備をした竹を使って、こどもたちと一緒に竹のプランターをつくり、地元のハーブ農園さんにお越しいただき、購入したラベンダーなどのハーブをプランターで育て、ラベンダーウオーターをつくる予定です。

これにより、地域の里山や自然のことを一緒に楽しみながら学ぶとともに、居場所に必要な手の消毒ができるナチュラルラベンダーウォーターをつくる一連の取り組みが行えます。

地域の繋がりを大切にしながら、環境に関することを学べる場、子どもの居場所を継続的につくりたいです。

まとめ

自分らしく過ごすことができる、放課後の子どもたちの居場所。いかにこの場所が子どもたちにとって、かけがえのないものなのか、子どもたちの表情から、ひしひしと伝わってきます。

環境、女性、地域のつながりなど、様々な視点から子どもたちの居場所をつくり続け、形にしている中島さん。今後の中島さんの活動や子どもたちの様子も見守り続けたい、インタビュー後、あたたかいこの場所で、そんな気持ちになりました。

関連情報はコチラ

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記事を作った人たち

タドリスト
Saemi
多様な価値観を尊重する社会づくりに貢献することを目標に活動中
フォトグラファー
小林紀夫
機械系技術職から転身して都内にてポートレート撮影、スタジオ撮影(墨田区)ライブ、宣材、イベント出張撮影、ブライダル、広告などで活動中。空気感のある写真をモットーに特に人物の撮影を中心に被写体の自然な表現を重視。 プロや一般人問わず多くの人物撮影を経験。