気象予報士が空をタドルvol.1「雲にしっぽをみつけたら?」
“ああ、儚い「雲のしっぽ」! 消えてしまうまでがキレイ”
と、この雲を見つけた時、私は思い、立ち止まり、彼の一生を見届けます。
正式名称は「尾流雲:ビリュウウン」Virgaと言い、雲の底から、地上に向けて線状やベール状に尾を引いたように見えるもので、雲から落下した雨粒や氷粒、雪片で、できています。
写真は、モコモコした積雲から落ちそうになった雨粒が、地上に到達するまえに、蒸発してしまったタイミングの積雲と尾流雲です。
しばらく眺めていると、しっぽは見えなくなってしまいます。
ジェット機が飛ぶくらいの高さ(地上10km)に、刷毛で書いたような似たような雲を見ることがありますが、それは『巻雲』で、『尾流雲』は、巻雲よりは低い位置にでき、大気中に水分が多く、風が吹いてる日に見られます。
日本では、6月の梅雨時や11月の時雨時で見られることが多いでしょう。
「あー!雲のしっぽ!見てみて―」と、私は子ども達に説明しましたが、
「クラゲみたいだね~」 と 小5の長女。
「いや、なんか、海の底にいるみたい」と小2の息子。
人それぞれ、感じ方が異なりますね。
みなさんも、みつけてみてください。