サンライズ探偵~瀬戸内海 弓削島【潮流発電編】
潜入調査
【瀬戸内海 弓削島 ~潮流発電~ 編】
弓削島の「国立弓削商船高等専門学校」で開発している
電気だけで動く船「電気駆動船」を調査していたが、
どうやら彼らの本当の目的が明らかになってきた!
早速、講義の模様を紹介しよう
「実は…我々は電気駆動船を最初につくろうと思っていたわけではなく…現在、潮流発電のほうに軸足を置いています。潮流発電の出口に電気駆動船をということでスタートしました。」
(なに!海水の流れ 潮の満ち引きのエネルギーを利用するあの潮流発電か! これは興味深くなってきたぞ!)
「潮流発電をやったときに、どこのプロジェクトも問題になってきてるのが、漁業権の問題…いわゆる漁師さんとの関係を何とかしたいということで…漁師さんにとっては、当然、不利益な部分も発生します…」
(ふむふむ)
「でも、漁師さんにあなたの使っている船の燃料費が明日から0円だったらどうですか?という話は成り立つだろうということで、じゃあ電気駆動船つくってプレゼンテーションしましょう!ということです。」
(なんとも大胆な発想! 百聞は一見にしかずか)
「私はバイオマス関係の自然エネルギーをずっと研究していたんですけど、
ここにきて潮流をやろうとしたのは、島の周りは潮流が速いということ、
それからあと、いま自然エネルギーで太陽光とか風力発電とかが
騒がれているんですけども、潮流という自然エネルギーの何が一番いいかと
いいますと、唯一 予測可能なエネルギー!ということです。」
(なるほど)
「すいません私、9月18日が誕生日なんですけど、今年の9月18日は晴れますか?風がどれだけ吹きますか?ってわからないですよね…」
(何で自分の誕生日を発表したんだ?)
「ところが潮流の場合、今年の9月18日、午前0時に潮の速さが何ノットなのか計算できます!来年もできます!再来年もできます!何故かというと太陽と月と地球の関係で、潮の満ち引きが、ほぼ確定するからです。ということで、潮流エネルギーは予測できるエネルギーなんです!」
(そうか!予測できるからこそ安定した電力供給が見込めるということだな)
「あの、今、実験をするためのイカダ式の潮流発電装置をつくろうとしています。」
(水の上に浮かべるイカダか?)
「なぜ、イカダ式なのかといいますと、一応、私はメーカーにいたもんですから…どれが一番儲かるの?って考えたときにイカダ式だと!あの、海の中で風車や水車を回しますと [フジツボ] がくっつきます。船で例えますと、スクリューに [フジツボ] が5~6個つくと25ノット出てたのが、5ノットしかでなくなります。」
(たかが [フジツボ] でそんなにも影響がでるのか!発電量も減るということだな)
「つまりあの、海中20メートルの所に直径10メートルの水車を入れた場合、機械で[フジツボ]をとるのに100万円近いメンテナンス費用がかかるんです…それだったらイカダの上でゴム手袋をして、手で取れるようにしたほうが、儲かるんじゃないかと!」
(なるほど… [フジツボ]とりのアルバイトの自給にもよるが…)
「潮流エネルギーは予測可能なエネルギーなので、有効利用したいと考えていますが、弓削島のエネルギーの地産地消・アイランド構想なんかも考えています。」
(うーん!これはワクワクする話しだな♪)
「太陽熱で発電した電気、マイクロガスタービンで発電した電気、
潮流発電した電気を一般家庭や工場などで需要化する。電力貯蔵装置がないと潮流が止まっているときは
蓄電池に貯めておかなければなりませんが、船溜まりにある船、動いていない船を利用したいと考えております。」
(なるほど、素晴らしいアイディアだ!)
「考え方はトヨタのプリウスと同じです。プリウスで貯めた電気を家で使えるような。船も毎日、全部動いてるわけではないので、動いていない船に貯蔵する考えです。これらをマイクログリットという形でつなぐ島の中での自給自足もそうですが、
エネルギーの輸出がここで、できるのかなと思ってます。
(自然エネルギーを産業にか!)
「そして、将来はここで作った電力を水素に変えて水素を売るとか、潮流発電を作る産業が島で育ってそれ自体が商品になるようなそんな大それたことを考えております!」
(夢はデッカいほうがいい! 今日はいい話が聞けたな^^ 気分がいい♪ 民宿に帰って1杯やるか!)
今回は電気駆動船の調査に行ったが、それは弓削島のエネルギー革新の序章に過ぎなかった。
最近、エネルギーの地産地消や自給自足を目指している島の話は良く耳にするが、
離島の特性を生かした潮流発電などの自然エネルギーと新たな発想の蓄電方法、
そして送電網を整備すればアイランド構想も遠い未来の話ではないはずだ!
まさに日本のスマートグリッドは離島から始まると実感した!