ヨシムラのエネマンガ
読みもの|6.26 Fri

ヨシムラの週刊エネマンガ

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誰でも分かる
電力自由化と発送電分離

今回のエネマンガはマジメにエネルギーのことを書こうと思います。テーマは「電力自由化」と「発送電分離」についてです。

いきなり「電力自由化」と言われても難しいと思います。まずは電力がどのように作られ、消費者の元に届けられるのかを説明します。電気を作ることを発電といいます。一般的な電気の発生方法はタービン(羽)を回転されることです。風力発電の風車を想像してください。水力発電の場合は水の流れる力でタービンが回し、火力発電は高温の蒸気でタービンを回し、原子力発電もウランを爆発させることによってタービンを回します。異なるのは太陽光を吸収することによって電気を生み出す太陽光発電のみです。基本的にタービンの回転によって電力が生み出されています。

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日本で電力を扱っているのは、北海道電力、東北電力、東京電力、北陸電力、中部電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力と日本の国土を地域ごとに分けた10の電力会社です。この会社では、発電から送電、配電、そして小売りと電気に関することを一手に引き受けています。現在、電力市場は上記10社に独占された状態です。それを解放し、誰でも新規参入できる市場にすることを「電力自由化」と言います。その結果、多くの新規電力会社が生まれることになり、活発な競争が繰り広げられることが予想されます。再生エネルギーを主とした太陽光発電のみで電気を作る会社、地元の温泉を利用し地熱発電する電力会社も出来るかも知れません。千差万様の発電方法の持った会社が誕生し、十人十色それぞれの生活スタイルにあった電気使用プランをユーザーは選択することになります。携帯電話事業や牛丼店のような競争が電力でも繰り広げられるということです。アイドルでいうとAKB48対ももクロ対モー娘。のような構図です。
 

「電力自由化」を進めていくための条件としてあるのが「発送電分離」です。上にも書きましたが、現在の電力会社は『発電ー送電ー配電ー小売り』と電力に関することを一手に受けています。電力会社の発電部門と送電部門を解体し、別々の発電会社と送電会社にすることを「発送電分離」と言います。すると「電力自由化」になった際に、新規電力会社が送電線を自由に使え、元からあった大手電力会社と新規電力会社がフェアな状態で競争出来るようになります。結果、新規電力会社は送電線を引く費用がなくなりますし、ユーザーは現在の電源をそのまま使用することが可能となります。モーニング娘。のメンバーが同じ事務所所属に対して、AKB48はメンバーは違う事務所所属なので、メンバー内での競争がより激化する構図を作りだしたのと似ています。

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「電力自由化」と「発送電分離」のメリットは競争が活発化することです。携帯電話のように色々なプランが出来るので、ユーザーのお財布事情にあった電力会社を選択出来るところも魅力的です。

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ヨシムラヒロム(イラストレーター/コラムニスト)

1986年東京都に生まれる。武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒業後、イラストレーターとして活動。中野区観光大使
・2012年11月 個展「ヌスル展」 ATAMATOTE 2-3-3
・2013年5月 「東京人」6月増刊号
カットや執筆のご依頼は7h446m@bma.biglobe.ne.jp まで
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