【初回】文化の力を再生させる|NAZWA!(Watusi+Naz Chris)
ナイトカルチャーがコロナ禍で受けた大打撃は、今も続いている。その渦中、同イベントには最新ダンスミュージックの祭典「TOKYO DANCE MUSIC WEEK 2020」と、いとうせいこう氏が牽引した自律分散型配信フェス、「#MDL=MUSIC DON’T LOCKDOWN!」シーズンワンの大団円という位置づけもあった。
告知にJ-WAVE(81.3FM)、S/U/P/E/R DOMMUNE、Roland、Pionner DJといった名が踊り、参加アーティストは音楽プロデューサーでDJの大沢伸一氏(MONDO GROSSO)、須永辰緒氏、野宮真貴さん、サイプレス上野とロベルト吉野、そしてナイトクラブシーン隆盛期からの盟友Chieko Beautyさんと共に、小泉今日子さんも名を連ねたことは”事件”だった。加えて、Zeebra氏の飛び入り参加までがあった。
また、新解釈の民謡をバンドRUDIE JAPをバックに、エネルギーアイドル永峯恵さんも新曲を披露した。
中心となって同イベントを実現させたのが、「NAZWA!(Watusi+Naz Chris)」のお2人。
風貌からしてただものでないが、再エネへの理解や高いカルチャーとの親和性など、心掴まれるお話満載だった。
NAZWA!
COLDFEETのメジャーデビューから20周年を迎えたWatusiと、ロンドン、インド・カリフォルニア経由のDJ/キュレーターで、若手オーガナイザー・ プロデューサーとしても多忙なNaz Chrisという世代・性別・国やジャンルを超えた2人によるDJユニット。
”繋がり”、”垣根”を超えユナイトする”WA (輪)”をテーマに【Ring Link Music】を提唱。国内外の野外フェスにも人気の2人によるプレイはバレアリックの精神を背景にTechno/House/Nu Discoなどのジャンルをも自由に行き来きし、壮大な一夜の絵物語を描き出す。
2018年、東南アジアツアーを敢行し、シンガポール、インドネシア、ハノイ、ホーチミンなどでプレイ。
2019年には、1st EP「 KISS THE TOKYO GIRL」をリリース、2020年にJ-WAVE「TOKYO M.A.A.D SPIN」のナビゲーターに就任すると共に、1週間、ダンスミュージックと共にカルチャーと人が繋がる祭典「TOKYO DANCE MUSIC WEEK」を旗揚げした。
【Watusi (COLDFEET)】 (Official web/SNS)
www.coldfeet.net
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【Naz Chris】 (Official web/SNS)
http://dirty30pro.com/
(Instagram)https://www.instagram.com/xnxaxzx_christina_dj/
(Facebook)https://www.facebook.com/DJ-Naz-Chris-1749749095236723/?ref=bookmarks
(Twitter)https://twitter.com/NazChris_dj
だから時間とか、重みとか、付き合いのどうとかいう、いわゆる社会における信頼関係って、もっと「これやろう」、「やらなきゃ!」、「じゃあ、やろう」ということでできる人たちがギュッと深まって、爆発的な何かを起こすことがクラブシーンとかカルチャーだったはずで、自分たちはそれをただやっただけであって。
Nazはこれをやる上で前後の2週間、ほとんど寝ていませんから。当然最後の東京タワーだって一睡もしないで来るし、連絡すればすぐ飛んできて、その後ずっと連絡のやりとりは続けるし、まあよく倒れないでやったなと思いますよ。
だから、そのために大石さんに伝えておいて欲しいんです。
「渋谷区観光大使ナイトアンバサダー」という、ラッパーのZeebraさんが就任している役職があります。ここJ-WAVEも六本木、他にも多くの放送局が港区なので、港区”環境”大使ナイトアンバサダーというのをつくってくれないでしょうか?
「観光」と「環境」で韻を踏みつつ(笑)、そうするととっつきにくいだけでなく、クラブごとってすぐ「怖い」、「どうせクスリでしょ」とかってなってしまうところを気にしなくなるような、純粋に「面白いことで時代をつくりたい」、それで来年に向かいたいと思っています。
そしてその時にラジオやエンタメ全体が再エネ化ができたら、それはすごいと思います。
東京タワーのメインデッキにて挨拶をするWatusi氏
僕は、社会や業界に対して口悪く「クソバカシネ」みたいなことを言い続けてますが(笑)、「そこに残っている火はうまくつけていけたら嬉しいな」と、心から思っています。
TDMWはそういうことで、そこにMDLのファイナルということで合体させて、いとう(せいこう)くん自身もひと段落じゃないけれど、時代はこんな最中でもどんどん流れているので、一つのピリオドではありました。
でもピリオドはピリオドに過ぎないので、じゃあそれをどういうタイミングでリンクさせながら走らせるのか、現状はまったくゼロ回答。でもそこには責任があるので、そっちを痛感しはじめています。
人がほとんどいないところで発信して、でも画面の向こうでは2万人が聞いているという、それはDJだって目の前に客はいないけど「2万人聴いてます〜」という実感のない実感を、今はまだ整理するのがやっとです。
たぶん今、世界中の人たちが「実感のなさを実感に変える作業」の最中なんだと思います。当日は関係者の方だけがいる、無観客の状態ではあったんですが、見守られていて、支えられているという実感があることで人間は頑張れるという、人が笑顔でいることがわかるとそれがモチベーションになるということが再確認する作業でした。
「1週間月〜土、深夜3〜5時をそのために使いなよ」という風に言っていただけたということで、それは一つずっと走っていました。あとは昨年夏、9/9をダンスミュージックの記念日に制定できたということがあって、それをヘソとして「アワードを1日やる?」、「何しようか?」みたいに考えていたら「1日じゃ足りない。1週間にしましょう!」ってNazが言い出して(笑)。「マジか」。じゃあ「実行委員長やれよ」という話になったのが、ちょうど1年前のことです。
当時もちろんコロナは予想していなくて、根を掘っていく作業、、もともと「官民でやりたい」というアイディアはありました。渋谷区であれば長谷部区長や、できれば東京都くらいの規模の自治体を組んだ、それくらい「オフィシャルなものにしたい」という。
あとはダンスミュージックやナイトタイムエコノミーというものが注目もされてきて、企業さんとも、なるべく大きな打ち上げ花火とすべく動いてきました。
それらが結局コロナで、いとうくんがMDLのことを言い出したという、それは当然予期せぬ事態でした。
コロナ禍を受けていとうせいこう氏が発案、立ち上げ、そして牽引した#MDL=MUSIC DON’T LOCKDOWN!
自分の中では、カルチャーとかシーンに対する自分自身の活動の応えみたいな、それはDOMMUNEの宇川さんやヒップホップシーンの人たちと知り合って、もちろんJ-WAVEではお仕事をさせていただいてきて、じゃあ「全部ドッキングさせちゃえばいいんじゃん!」というアイディアがワッと湧いてきていて。
さらにはいとうキャプテンも、「MDLやるぞ!」と言いだして。当時私は、いとうせいこう is the poet(ITP)のマネージメントとして、予期せぬ展開とはいえ「ちょっと手伝ってよ」。だったらそれもまとめて、「オンラインでやっちゃえばいいじゃん!」というのが4、5ヶ月前のことでした。
それで「ラジオもある」、「DOMMUNEもある」という時に、「これは映像とラジオとオンラインでできる!」と思ったんです。
S/U/P/E/R DOMMUNEと連動したTDMWの9/11(金)、いとうせいこう氏、Zeebra氏や議員の方々、SaveOurSpaceの方と共にみんな電力・大石代表も登壇
当時はもちろん有観客の予定で、それがこういう状況になったのともう一つ、当初は割と、ダンスミュージック界隈のDJ連中をいっぱいまとめて「みんなでやろう」というつもりだったんですが、「みんなじゃできないな」ということも思ったんです。
それはコロナのちょっと前くらい。
Watusiさんの気になる一言で終わった初回記事。カルチャーとエネルギーの接点に迫る次回、そして最終回をお楽しみに!