【第2回】文化の力を再生させる|NAZWA!(Watusi+Naz Chris)
Watusi氏は都内で20以上の音楽スタジオとライブハウスを運営する、役員としての顔も持つ。その言葉には、例えば現状を「ウチ規模で毎月1千万円以上の出血している。それが1年続くということは1億以上、安心するには2億借りなきゃいけない」と語る、この状況から何を生み出すか、前例のない中試行錯誤を続ける当事者だからこその説得力が宿る。
クラスターのリスクはもちろん、以前からコロナがなくとも何かとレッテルを貼られ、押し付けられるしわ寄せを跳ね返してきた「カルチャー」の力。それがどう機能し、再エネとのリンクを果たしたのか、お読みください。
クサい話かもしれませんが、お金とかコネとかがなくても、もっと割とみんなが集まれていた感じがあったと思うんです。
DJが「議員と擦り寄ってなんとかなんてクールじゃない」はわかるんですが、大人になっていって何かしらのそういう繋がり、つまり「ダサいこと」を知らないと、コロナ禍みたいなことがあった時に官とのやりとりすらできない。文化庁が「助成金を出そう」と言っても、どこにアプローチしたらいいかもわからない。つまり「ダサいことをやらないけない人」が必要なんです。
だから僕もちょっとそっちに入っていて、これをやっているのは、今のDJたちのためではまったくなくて、もっと「孫のため」と思ってやっているんです。
でも、そのアンダーグラウンドがツイッターで叫んでるだけじゃ、「死ねばいいのに」と思うしかないんだよね。思想なきアンダーグラウンドは、ただのファッションだから。
だから、「八方美人と言われようがしょうがいないじゃん。今の日本のシーン全部好きだから」という、別に媚びているわけじゃなくて、「興味あるから近づきたいじゃん」。そういう純粋クソ真面目な、悪く言うと青春野郎でスゲーうざいみたいな、でも、そういうのが最後は勝つと思うんです。
「死んでもカルチャーは私を裏切らないはず」みたいなことをマジで信じれちゃうタイプできてるから、ちょっとやそっとでは倒れない。だから、そういうことでここまで続けてきて、12、3歳からそういうものが好きになって、まだそれに対する希望とか憧れ、アティテュードが萎えないのは「好きが功を奏した」というか。
純粋な「好き」って強くて、フラれてもフラれてもしがみついていって、何なら「振り向かせてやるぜ」くらいなんです。
だから、Watusiさんみたいなことを言われても「ちょっと待ってくださいよ」みたいな。「ここはこうじゃないですか」とか言いながら、たまにケンカもしながら、、
そんなことがあって、コロナがあって、そういうタイミングで逆サイドからMDLみたいなことが起こって、あれは希望でもありました。「こんなことが」、「こんなやり方で」、「みんな意外と乗ってくるんだ」みたいな、そこでは芸人さんやら落語のお師匠から、能や狂言の方々から、さらには(みんな電力の)大石さんみたいな人までが現れて。
でもMDLは、ふられた方は以外と大変で、しまいに「巣篭もりフェスやる!」っていう時はもう地獄(笑)。「オレ、何してるんだろう?」っていうくらいアジア中に連絡して、メールで誰がOKで、マネージャーさん出てきて「あ、すみません」なんて言いながら、配信の会社と打ち合わせして「これ、何のためだったんだっけ?」みたいな(笑)。
でもあれは、そういった意味の希望でもあったんです。あの時は芸人パワーに、逆に音楽家たちが押された感覚もありました。圧倒されて「素晴らしいな」と純粋に思いましたし、「ミュージシャンちっちぇえな」みたいな。
イベント途中に開催されたカンファレンスにて、NAZWA!のお2人といとうせいこう氏、環境省環境再生・資源循環局の川又参事官、そしてみんでん・大石代表
これだったら「考えられる」、「やれる気がする」みたいなことは、先ほど言った「自分のやってきたことを信じている」というパワーと、まわりからいただいたエネルギーで私自身が再生したと思うんです。
もともとはこのイベントをやるために1年前からあらゆるところを駆けずり回って、潜入捜査みたいに各所に潜り込んでは「こういうのやるんで!」、「力貸してください!」みたいなことを企業さんや議員さんに伝え続け、それがコロナで全部吹っ飛びました。「できないじゃん」となったところで私を再生させてくれたのは、紛れもなく「賛同してくれた方々」だったんです。
私はそういう、「再生させるエネルギーを信じる」という風に決めて、そのキーワード自体、大石さんのやられていることからもらいました。そしてそう考えていくと、そういったいいエネルギーがなければ文化も人も存在できていないんだなと。それは環境も、それも地球規模のものでなくとも、自分の近所やこのJ-WAVEとか、いいエネルギー無しは死んでしまうわけで。
人にエネルギーを分け与えることの重要性と、私自身20年間このカルチャーからエネルギーをもらってきたからこそモチベーションがあるわけで、同じことを新しい世代にできたらいいなと思います。それを見い出せたこと自体、大石さんや再生可能エネルギーというものに対して、感謝です。
正直、突然やってきた光るヒーローによってMDLもTDMWも救われ、間違いなく勇気をいただいて、感謝しても感謝しきれないので、これからもいっぱい迷惑かけようかなと思っています(笑)。
その中で「ユニティ」という姿勢を覚え、その象徴としてロック、ポップ、ハウス、テクノみたいなジャンルが存在している中で9.11があった。すべて嘘っぱちなことが明らかになり、みんなの足元が崩れ落ち、改めて「想い」を探しはじめました。
日本ではさらに3.11というショックがあって、電気を使う自分たちの身の丈や関東に生きていることを含めて、「どう生きていこうか」。自分たちの未来と足元をさらに具体的に考え直さないといけない、古くからの友だちも音楽をやめて、東京からも離れていった人間も多くいます。
「もう、音楽をやっている場合じゃない」って。
ちゃんと地球を掘り返すところから闘い直して、「この加速を止めることに人類は力を注がないといけない」というのが、音楽家の主だった想いだとは思うんです。
それぞれに活動のかたちがあって、それを歌に乗せる人、直接動く人、被災地巡りをするとか、いとうくんの「国境なき医師団」、SUGIZOくんはアラブ各国を巡り、長い親友である佐藤タイジは中津川で「THE SOLAR BUDOKAN」をはじめて。
大石さんといとうくんが出会ったきっかけにもなった、坂本教授の「NO NUKES」にいとうせいこう is the poetで出演した時も、出演するアーティストたちは以前よりはるかに悩んでいました。みんな最初は「出たい、出たい」と言ってくれても、最終的には「事務所が、、」と、すごく大変だったんです。
みんな電力の創業メンバーでもあるエネルギーアイドル・永峯恵さんも、新解釈によるエネルギー民謡の新曲を「永峯恵 & RUDIE JAP」として披露した
NAZWA!
COLDFEETのメジャーデビューから20周年を迎えたWatusiと、ロンドン、インド・カリフォルニア経由のDJ/キュレーターで、若手オーガナイザー・ プロデューサーとしても多忙なNaz Chrisという世代・性別・国やジャンルを超えた2人によるDJユニット。
”繋がり”、”垣根”を超えユナイトする”WA (輪)”をテーマに【Ring Link Music】を提唱。国内外の野外フェスにも人気の2人によるプレイはバレアリックの精神を背景にTechno/House/Nu Discoなどのジャンルをも自由に行き来きし、壮大な一夜の絵物語を描き出す。
2018年、東南アジアツアーを敢行し、シンガポール、インドネシア、ハノイ、ホーチミンなどでプレイ。
2019年には、1st EP「 KISS THE TOKYO GIRL」をリリース、2020年にJ-WAVE「TOKYO M.A.A.D SPIN」のナビゲーターに就任すると共に、1週間、ダンスミュージックと共にカルチャーと人が繋がる祭典「TOKYO DANCE MUSIC WEEK」を旗揚げした。
【Watusi (COLDFEET)】 (Official web/SNS)
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【Naz Chris】 (Official web/SNS)
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だんだん明らかになってきた、カルチャーと再エネの関係性。瀕死のカルチャーを再生させるエネルギーの真価、最終回で!