【最終回】コロナと戦う経営者|アフターコロナのサステナブル経営
参加されたのは、新型のウイルスによって唐突に激動する社会の渦中に置かれた飲食業界から、もともと骨太なSDGs、ESGの実践者である株式会社ゼットンの鈴木伸典代表取締役。マレーシアを拠点に、ご自身でも現地と日本で飲食店を経営、投資家でもあるスタートアップスクエア株式会社の恵島良太郎代表取締役。そして金融の世界から、ESG投資の今と可能性について各省庁との調整はもちろん、政府委員も務めながら積極的な発信を続けられる三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社のプリンシパル・サステナビリティ・ストラテジスト、吉高まりさん。
ファシリテイターをみんな電力・三宅事業本部長、司会をみんな電力・山下麻美が務めた、聞いているとこのまま未来を切り拓きそうな熱気、伝わりますように。
企業の経営会議などでESGについて話をしに伺うと、財務、事業、CSRなどの各担当役員の方々が出席されています。ESGは、これまでCSR部門に任せている企業が多いため、経営の中枢部門である財務部や事業部の役員の方々は、その話はよくわからず、自分ごととして考えていないことが多い。
本当は、経営の中でESGを統合してやっていかないといけません。ESGが経営のど真ん中に入っていかなければ、逆に言えば、現状のままずっとP/Lなど収益や業績だけで評価され続けることになります。その流れを変えるためには、経営者層全体が、ESG経営へ変わることの意識を持たないといけません。
でも私は、すでにそれも徐々に変わり始めているとコロナ前から感じていました。
あれは、どういうコミュニケーションをされた結果だったんでしょう?
TBSさん、マルイさん、セガサミーさんといった企業の方々の発想として「僕らに投資することによって、自分たちの価値を上げたい」という想いがあったと、私は理解しています。
なぜ我々がそういう風に評価していただけたのか、再生可能エネルギーを供給している会社として、再エネの価値をきちん伝えるための努力をしてきたということはあると思います。それはブロックチェーンを使ったり、産地をわかるようにするトレーサビリティをつくったり、他社にはない仕組みを自らつくってきました。
そういったものを取り込んで、TBSさんがこれからも、今はラジオでPR展開してくださってますが、将来的には自らの再エネ使用について、僕らを使って広めていくという考えもあって選んでいただけたんだと思います。
再生可能エネルギー事業者がたくさんいる中で、みんな電力さんのビジネスはストーリーという点で秀でています。
マルイさんは、早くからESG経営に舵を切っておられました。ESG投資家に対してコミュニケーションをとるのに、また、社内で経営層を説得するのに、わかりやすいコンテンツをみんな電力さんが提供されているということが、大きいのだと思います。
我々は再エネを販売する会社ではありますが、ストーリーも売ってるということがあります。電気には色も味もないわけで、それを「再エネに替えました」と言ったところでそのことを表現できません。そこで産地と生産者に注目して、マルイさんの場合なら、青森県でつくられている風力発電所の電気をある店舗に「ピンポイントで供給します」ということを証明付きで、ブロックチェーンを使って実現させました。
そういったところが、経営者にとっては非常にわかりやすいメッセージとして使えると。それをお客さんや、さらに彼らの投資家にもその話ができて、もちろん新入社員にもメッセージが出せるということで評価いただいたんだと思います。
でも例えば、「仕入れの移動距離をいかに短くするか」。これは大きな世界観で捉えれば、いわゆる「CO2排出の抑制」ということにも繋がっていきます。いかに仕入れを近隣で、できるなら日本国内で成立させることができるなら、それは一つ大きな、外食産業におけるサステナビリティの取り組みになるんじゃないかと思っています。
今うちのサステナブルの役員には、日本国内での原材料の調達がどこまで可能なのかを調査してもらったり、僕らの問屋さんがどこに発送の倉庫を持っていて、どんなルートで僕らの手元に届いているのか、そのような部分を意識して、仕入れについてのオペレーションを改めて見直してもらっています。
ゼットンでは2020年3月から一部の店舗でサステナブルシーフードを使用したメニューを販売・提供しております
その時にASCやMSC認証をどのように使うことができるのか。しかしそれらは価格も高いので、おのずと商品の構成自体も変わってきます。ですから、サステナブルなものをどう仕入れてどう提供するのか、そういったオペレーションの見直しもしています。それは、各店舗でそもそもの「仕入れ」という側面から意識を変えられる、大きなポイントになると思っています。
司会を務めたみんな電力・山下麻美のキレのある進行
GEが各ステークホルダー向けの説明を、それぞれ用に変えているとのことでしたが、日本企業でもそういったことをしていますか?
多くの企業で統合報告書がつくられ始めてはいますが、だからといって明確に投資家が求める「ESに関して」情報開示ができているということではありません。まだ、社会一般に対する「CSRレポート」、「環境レポート」といったものが多く、経営の中に統合されていることを表すレポートは少ないです。
ビーガンや宗教に対する配慮の面から、工業型の畜産業が温室効果ガスを多く排出する状況の中、「プラントベースメニュー」の充実はESGとして評価されるでしょうか?
とはいえ、代替ミートとして「大豆ミートであればいい」と一概には言えません。なぜなら、その大豆生産のためにブラジルの熱帯雨林を伐採していたら意味がないわけです。自然の全体的なバランスの中で説明されなければ、よい評価にはなりません。
それこそが「サーキュラーエコノミー」です。気候変動問題と分けて考えてはいけません。今、気候変動の問題解決を自然全体の中で解決を考える、「ネイチャーベースドソリューションズ」という言葉が注目されています。「自然循環の中でどう持続可能か」ということををきちんと説明できればよいと思いますし、ESG投資家もそこに関心は持っていると思います。
それを効率的に使うには距離的に近い方がいいのは当然ですし、分散したものを使える仕組みにしないといけません。だからこそ、ブロックチェーンというものはまさにそこで機能して、今後そのようなパラダイムシフトが起きていく予想を私たちはしています。
中央集権型から分散型に変わる。わかりやすく言えば、いろいろな人が、個人でも企業でも電気をつくれるし、それを誰もが買えるようにするというのを、取引としてつくる仕組みがブロックチェーンです。我々はそういったものを提供しています。
先ほどからの食の話もそうですが、「仕入れをどうするか」という、それは突き詰めると「どこの生産者から買っているか」ということを消費者に見せることです。そして、「それが安心になる」ということなんです。
人のマインドはだんだん「安心」や「繋がり」というところに行くんじゃないか。その時に、食も洋服も、それは電気にしても「もしかしてこれをつくってる先で、誰か泣いている?」ということではない、ちゃんと由来がわかって、しかもそれをお見せすることで、適切なお金を払っていただけるのではないかと思っています。
もう一点は、コロナ前からお金余りの状況が続き過ぎています。ということは、どこかで別のリセッションがくる。つまり、そのリセッションの前にコロナが来たという認識でいますので、そこを経営者としてしっかりウォッチしないといけないと思っています。
「ESG」テーマのトーク配信企画、夫馬さん『ESG思考』から立て続けの計7回に及ぶ記事、いかがでしたでしょうか?
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