【初回】ORIS|1904年創業の時計ブランドの電力切り替え
ORISには、イメージキャラクターにハリウッドスターを起用したりする派手さはないが、コマーシャルなキャンペーンに大金を使うなら、環境保全に使おうという思考を軸に持っている。そして根底にある時計づくりは実用的かつ独創的な、本物の機械式時計だけを追求し、時計ライターなど、時計をよく知る層からの評価は特に高い。
創業から100年を超えるブランドに賛同いただくのは価値のある、とても嬉しいこと。再生可能エネルギーを語る際、常に出てくる「サステナブル」というキーワードを体現している会社からは、むしろ学ばせていただくべき要素が満載だろう。
私個人のことを申しますと、以前いたのがビストリノックスで、会社は自社ビルでしたので、そちらでまずみんな電力を導入しました。そしてORISもビル一棟を借りることができたので、切り替えることができました。大きなビルのテナントに入っていると、そういうことができないことが多々あります。
ORISは10年以上前から、環境保全活動に参加してきました。ダイバーウォッチが多いので、時計で「グレートバリアリーフ」や「ハンマーヘッドシャーク」など数々のリミテッドエディションを出して、海洋環境がテーマの取り組みをこれまでしてきました。絶滅危惧種やサンゴ礁の保護といったことが主なテーマでした。
特にORISは独立企業で、その「独立している」ということをとても大切にしています。まずそういった真面目さがあり、環境問題は最近特に取り沙汰されることが増えてきましたが、「正しいことをやった方がいいよね」という考え方があります。
時計やファッションブランドは、マーケティングの手法としてハリウッドのセレブや俳優をアンバサダーにたてることが多いです。もちろんそれにはとてもお金がかかります。そういうお金を使うんだったら、環境保全とか社会貢献にお金を使って、宣伝にはせめてそれを活用し、「一緒に参加しましょう」と呼びかけているのがORISです。
「この時計を買うと売り上げの一部がここに行くので、あなたもこの支援に参加できますよ」というのが、ORISのマーケティングなんです。その考えの根底には「同じお金だったら、できるだけいいことに使おうよ」ということがあります。
特に日本は災害大国です。世界中の自然災害の約3割が日本で起きていると聞いたことがあります。そんな小さな列島の中に大量の原発をつくるのは、自殺行為なんじゃないかと思うわけです。自然災害じゃなくても、どこかの国に原発を爆撃されたらそれでお終いになってしまうのではないかと、とても怖いです。
でも、だからといってずっと何らかのアクションをしていたわけではありませんでした。そこで大石社長にお会いして、やっていることを伺って、「素晴らしい」と思ったんです。
ハロウィンだってすごく盛り上がるんですが、じゃあ「ハロウィンって何?」と聞いても、たぶん90%以上の人が知らないと思います。何だか知らないのに熱狂するという国民性というか、別の視点で見ると「扇動しやすい」と言えます。だから、そこはすごく危ないと感じます。
みんな電力はオリスジャパンへ、オリス銀座ブティックのオープン記念としてコースターを贈りました。
このコースターは「シードペーパー」で出来ています。シードペーパーとは、再生紙にさまざまなお花の種をすきこんだ、環境にやさしいリサイクルペーパーです。
コースターを一晩(8時間程度)水につけ、土に植え水やりを続けると、1週間ほどで発芽し、2カ月ほど育てると花が咲きます。忘れな草、ナデシコ、ヒナゲシ、イングリッシュデイジーなど10種類以上の花の種が入っています。
ORIS記事初回、いかがだったでしょうか。全3回の第2回はスイスから日本が学べることについて、来週月曜18日の公開です
→【第2回】ORIS|1904年創業の時計ブランドの電力切り替え
→【最終回】ORIS|1904年創業の時計ブランドの電力切り替え