気象予報士がタドる空の魅力 vol.9 ミクロに見た雪のカタチ
白銀の雪景色は、雪国ではないと味わえない、自然のなす芸術です。
雪が積もった真っ白な世界は、とても静謐な時間を提供してくれます。。
今回は、雪について、ミクロにたどります。
(Photo by Aya Otaki)
雪の結晶をみたことありますか?
雪が降らない地域ではなかなか見られませんが、降雪のタイミングで、黒っぽい服に落ちた雪を注視しているとみられます。写真のような形をしている雪の結晶は、子ども達には、ディズニー映画の「アナと雪の女王」に出てくるマークでおなじみです。
(https://twitter.com/arakencloud/からの引用)
雪の結晶には、樹枝状のものや、針状のものなど、さまざまな種類があります。雪の結晶の形を見ると、その時の大気の状態が把握できるので、「雪は天から送られた手紙」ともいわれています。
たくさんの種類がありますが、形は共通しています。
雪の元は、水。水は、Hydrogen(水素)2個とOxygen(酸素)1つから形成されています。“エイチツーオー”と聞いたことはありませんか?「水」を形成する分子を表現しています。2つの水素原子と、一つの酸素原子が結合した「水分子」です。
水分子は、やじろべえのような形をしています。やじろべえの頭の部分に酸素原子、2本の手の先に水素原子が配置されています。2本の手の間の角度は決まっています。「水」分子同士は仲が良いので、どんどんと繋がっていきます。特徴があるつながり方なので、“水素結合”と言われています。
水分子同士がつながり、どんどんと大きくなるのですが、その成長する方向がちょうど六角形を形どるのです。
(https://twitter.com/arakencloud/からの引用)
雪の結晶の核となる形は、六角形で、どのように水分子が成長するかは、その瞬間によって異なります。ですので、同じ雪の結晶を見ることは難しく、一期一会になります。
地球上に「水」がなければ、美しい雪を見ることが叶わないというわけです。
雲と同じで、雪もぜひ愛でてください。