今年も上出来!田植えからタドる、自然エネルギー+自然栽培米=日本酒「推譲」
昨年TADORiでご紹介した神奈川の骨太な地酒「推譲」。本年度分も無事に販売が始まった。
今年の出来栄えはいかに!?と、待ちかねている今回のタドリスト長島遼大はUPDATERの新卒一期生。誰よりも再エネへの想いが強い20代として、現在パーソナル事業部で個人のお客様向けに再エネの利用促進を行っている。
じつは推譲の原料になっている米の田植えから参加していることもあり、今回「推譲アンバサダー」としてその想いを語ってもらう。
田植え体験が教えてくれた”明日の日本酒”
ソーラーパネルの下に田んぼ。その田んぼでたくさんの人たちが真剣に苗を植えている。田植えをしている人たちの年齢や所属は実に多様だ。田植えを体験してみたい親子、気候変動問題を解決したいと活動する学生、この活動をサポートしようと意気込むご高齢の方々など。その様子を楽しそうに眺める井上酒造の井上寛さん、そして田植えの中心で声をあげているのが小山田大和さん。パネルの隙間からは青空がのぞいていて、太陽の光が田んぼを暖かく照らしている・・・・。
2021年6月に開催された田植えの様子です。この時に植えた苗から育ったお米を原料に、井上酒造で製造された日本酒が「推譲」となります。今回で2年目となる「推譲」作りには、私も田植えから携わることができました。当日は裸足で土を掴みながら歩く楽しさや、集まった人たちが作り出す空気感に浸ってしまい、周りの人たちに「手を動かせ!」とつっこまれながらの作業だったので、田植えではほとんど力になれていなかったのですが、この度有り難いことに、アンバサダーとして文章を書く機会をいただいたので、私の思う「推譲」の魅力を少し紹介させていただきます。
どうしてこの日本酒は多くの人を惹きつけるのでしょうか。「推譲」とは小田原の偉人・二宮尊徳翁が170年以上前に説いた教えで、「利が出たら、次の世代、社会のために使う」という意味だそうです。この取り組みの中心にいる井上さんや小山田さんの姿勢はまさにそれを体現しています。その姿を見た人はたとえ言葉の意味を知らずとも感じ取ることができ、また感じ取った人たちが取り組みに携わりたいと思ったときに参加できる場があること、つまり私たち一人ひとりが入ることのできる「余白」があるからではないかと私は考えています。不思議な感覚ですが、携わったことで実際に完成した「推譲」を手に取ると、”私の”日本酒だと感じるのです。一緒に田植えを体験した人たちの中には、同じような気持ちになる人が何人もいるのでは?と想像しています。
お米一粒には7人の神様がいると言われています。まず何よりもお米が育つ自然環境があり、その上で大変な苦労をして育てた人がいて、ようやく口にすることができるという過程を理解しているからこそ、神が宿るという表現が語り継がれてきたのではないでしょうか。今年の「推譲」もたくさんの人たちが携わって完成しました。どうしても消費と生産が遠くなってしまっている現代において、「推譲」を飲みながらゆっくりと、田植えや草取り、酒蔵で蒸されるお米の様子などを思い浮かべてみてください。「推譲」は私たちがこれまで大切にしてきた食べ物に対する感謝の気持ちを思い起こさせ、そしてこれからの未来の方向を指し示してくれる、そんな日本酒だと私は思っています。
ボトルデザインを一新。2022版「推譲」誕生
さわやかな酸味が特徴のスッキリ辛口に仕上がったという今年の「推譲」。すでに井上酒造のHPでは販売を開始、4月上旬から順次発送されます。食卓のニーズに合わせて500㎖、すりガラスのお洒落なデザインにボトルを刷新。女子会の差し入れにも喜ばれそうな雰囲気になりました。少量生産のため今年も早々に売れきれること必至。太陽と自然の味わいをご賞味あれ。