
2025.10.21
「買い物で社会や環境にいいことをしたいけど、何から始めたらいいかわからない」「オーガニックやサステナブルには興味があるけど、まずはどうすれば?」そんな人におすすめなのが、「認証マーク」です。買い物の基準は人それぞれ、素材や原産国、値段など様々あると思いますが、認証マークとは、商品やサービスが決められたルールや基準を守って作られていることを、第三者がチェックして認めたマークのこと。今回は、その中でも「動物に配慮している」ことを証明する認証マークについてまとめました。服や化粧品など、身近なものを選ぶときの参考にしてみてください。
動物に配慮した「認証マーク」とは
認証マークの見分け方:知っておきたいマークと特徴
リーピングバニー認証
PETA(ピータ)認証
Vegan認証
レスポンシブル・ウール・スタンダード(RWS)
DOWNPASS(ダウンパス)
今日からできる、身近な社会貢献を
わかりやすく表現するならば「動物にやさしい製品」であることを証明するマークで、動物福祉や動物保護の観点から、製品やサービスが一定の基準を満たしていることを示す目印になります。 この認証が必要なのは、動物の飼育環境や製品の製造過程において、動物に不必要な苦痛やストレスを与えていないかという「アニマルウェルフェア(Animal Welfare)」の考え方に基づいているからです。動物が不適切な環境で飼育されたり、苦痛を伴う実験などに利用されたりしているケースが、産業の現場でないとは言えません。 そのような現状から、認証マーク制度があることで、そうした行為を行わない、または減らす努力をしている製品や企業を選ぶことができます。わたしたちは消費を通じて、動物福祉を改善する力になることができるのです。

数多く存在する認証マークの中から、ファッション、コスメといった日常の買い物でも特に目にする動物愛護に関わる代表的なものをまとめました。各認証マークについて知り、それぞれが保証する価値や特徴を見分けられるように解説します。

ジャンプするウサギ(Leaping Bunny)のマークが目印です。製品の原料から製造、販売までの全過程で動物実験を行うことなく動物に配慮していることを「Cruelty-Free(クルエルティフリー)」と言います。リーピングバニー認証は、対象の製品がこのクルエルティフリーであることを証明する国際的な認証マークです。 この認証プログラムは世界中の企業が参加しており、認証された製品は国際的にクルエルティフリーであると認められます。日本でもLUSHなど、いくつかのコスメブランドが認証マークを取得しています。 参考:https://www.leapingbunny.org/about/about-leaping-bunny Instagram:https://www.instagram.com/leapingbunnyprogram/

PETAは「People for the Ethical Treatment of Animals」の頭文字からなる非営利団体で、動物の権利保護のために活動しています。同団体が認証するマークは、ピンク色のハート耳のウサギの顔と「PeTA」の英字が特徴で、製品が動物に配慮していることを示す「Cruelty-Free(クルエルティフリー)」認証です。 認証には2種類あり、ひとつは開発・製造過程で動物実験をしていないことを示す「Cruelty-Free」です。もうひとつは、それに加えハチミツ、乳製品、ウール、シルクなどの動物由来原料を一切使用していないことを認める「Cruelty-Free & Vegan」です。 参考:https://www.peta.org/ https://mylittlemimi.org/crueltyfree-labels/ Instagram:https://www.instagram.com/petaasia_japan/
ヒマワリのマークと中央に「Vegan」と書かれているのが特徴です。世界最古の権威あるヴィーガン協会によって設立された、国際的に認められたビーガン製品の認証です。65カ国以上、7万点以上の製品が商標登録されており、食料品だけでなく、衣類、化粧品、日用品などにも広がっています。 肉・魚・卵・乳製品・はちみつ・ゼラチン・シルク・皮革など、あらゆる動物性原料を使っていないことはもちろん、製品の開発から製造に至るまで、動物実験を行っていないことが認証取得に求められます。第三者機関が審査基準に基づいて製品を検証、審査し認証しています。日本では「THE BODY SHOP」がVegan認証を取得しています。 参考:https://www.vegansociety.com/the-vegan-trademark https://www.the-body-shop.co.jp/shop/e/e35vegan/?srsltid=AfmBOoqEl5gu1toRGSoPGoH-dhynv3fjRvtSvMidRLiTTdguu6eBBSyO Instagram:https://www.instagram.com/vegantrademark/

円の中に横向きの羊のシルエットが描かれ、「RWS」と「RESPONSIBLE WOOL STANDARD」の文字が表記されている国際規格の認証マークです。動物福祉と環境保全に配慮されている製品であることを示します。ファッションやアパレル業界が地球環境や自然に良い影響を与えるよう、活動を促している国際的な非営利団体「Textile Exchange」が策定・運営しています。 羊が健全な環境で飼育され、毛を刈る際にも配慮がなされていることを示します。認証された農場では、土壌を健康に保ち、動植物の多様性やその地域にいる生き物(在来種)を守るために、土地の管理も行われているかチェックしています。身近なところではPatagoniaやIKEAの一部ウール製品で取り入れられています。 参考:https://textileexchange.org/about/ https://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/a04_65.html https://www.patagonia.jp/our-footprint/responsible-wool-standard.html https://www.ikea.com/jp/ja/this-is-ikea/sustainable-everyday/sustainable-materials/we-want-all-our-wool-to-be-responsibly-sourced-pub42649570/ Instagram:https://www.instagram.com/textileexchange/?utm_medium=copy_link

「DOWNPASS」の文字の下に羽毛のイラストが入ったデザインの認証マークです。寝具や服、アウトドア用品に使われる羽毛は、生きたまま無理に毛を採ることや、食用のために飼育された鳥からの素材の使用は禁止されています。農場では実際に立ち入り検査が行われ、飼育環境や状況がしっかりチェックされています。 最近は動物の福祉に関心が高まっており、水鳥の飼い方や羽毛の取り方、そして製品が私たちの手元に届くまでの過程が見えるようにすることが求められています。そこで、ドイツにあるDOWNPASS(ダウンパス)という団体が、羽毛の動物福祉と追跡管理を保証する認証ルールを作りました。この認証を受けた製品だけが「DOWNPASS」の認証マークを付けられます。高級羽毛布団やDESCENTEの水沢ダウンで認証されたアイテムが展開しています。 参考:https://www.downpass.com/en/animal-welfare-quality/ https://www.qtec.or.jp/work/certification/uncategorised/downpass/ https://allterrain.descente.com/mizusawadown1/ Instagram:https://www.instagram.com/downpass2017/#
私たちが毎日使うものには、知られていないところでいろんな背景があります。どんなふうに作られているのか、動物や自然にどんな影響があるのか。そんなことを選ぶ基準にすることは、やさしい未来につながる第一歩です。認証マークがついているものを選ぶのは、ただの買い物以上の意味があって、未来を応援する素敵な行動でもあります。まずは洋服やコスメなど、身近なものから。今日からちょっとずつ、「動物にやさしい選び方」を始めてみませんか。

都内から湘南へ移住したことをきっかけに環境への関心が深まり、農業研修を経て就農。現在は、環境再生型農業にチャレンジしながら、「書く・つくる・育てる」暮らしを日々模索し、楽しんでいます。
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