槌屋先生のエネ噺 第1回目
読みもの|6.26 Fri

槌屋先生の槌屋先生のエネ噺
槌屋先生のエネ噺
はじめましても、おなじみの人もコンニチハ。イラストレーターのヨシムラです。エネルギー勉強中の僕がエネルギー界の偉人、システム技術研究所所長の槌屋治記先生にエネルギーをイチから教えていただく『エネ噺』第一回目という事で、エネルギーの始まりについて槌屋先生に聞いてみましょう
エネルギーの始まりは、暖房ですね。寒い地域に住んでいた人間の祖先が火を燃しはじめたことが一番最初
槌屋先生のエネ噺
槌屋先生のエネ噺
それは、タール人の頃ですか?
タール人?ネアンデルタール人のことを言いたいのかな
槌屋先生のエネ噺
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ははは、そーです。
妙な略語使うね。
最近、ベント・ソレンセンというデンマークの有名な物理学者がストーンエイジから現代までのエネルギー史を書いた『ヒストリーオブエナジー』を発表したんだ。
この本の面白いポイントは、各年代ごとにエネルギーをどれだけ使用していたかを同じ単位で書いた点なんだよ!石器時代にエネルギーをどれだけ使用していたのか、誰も分からないことを調査したんだ
槌屋先生のエネ噺
槌屋先生のエネ噺
世の中には、色々な人がいますねー。 石器時代ってマンモスを襲っていた頃ですよね「ハングリー」なんて言って
それは昔のカップヌードルのCM!
(本を指差しつつ)ここにネアンデルタールエナジーユースと書いてありますね。
槌屋先生のエネ噺
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今、流行している栄養ドリンクみたいな名前ですね。
違いますよ、これはネアンデルタール人のエネルギー消費量です。
その量を彼は推定していて最初のエネルギー消費が一人当たり、男が145.26ワット、女が125ワット。なんでこんなに少ないんだろう。
槌屋先生のエネ噺
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男と女で使うワット数が違うということは、体の大きさに関係あるのかな?
さあ、わからないな…
槌屋先生のエネ噺
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火に当たる面積の違いとかですかね。
いやぁ、違うだろうねー。男性が木を拾うことにエネルギーを使っていたからだな。彼は一ヶ月に五日間枝を折ったり木をひろっていただろうと推定している。信じられないんだよこのレポート。よくこんな事を計算したよね。
槌屋先生のエネ噺
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凄いですね。桃太郎の冒頭みたいですものね。おじいさんは山で木を切り、おばあさんは川で洗濯。
石器時代には木こりのような役職の人がいたんですかね?
それはいなかったと思う。木を拾ってくるだけだと思います。この頃は、どこにでも木片があったと思いますよ
槌屋先生のエネ噺
槌屋先生のエネ噺
そうですよね。東京スカイツリーみたいな大きな建物がないですもんね
でも、だんだん遠い所まで歩いて行くようになったと書いてあるね。そりゃ当たり前でよね。家の周りの木がどんどん無くなっていくんだから
槌屋先生のエネ噺
槌屋先生のエネ噺
アフリカの水汲み、みたいな感じですね
そうですそうです。次は石器時代にどういったことにエネルギーを使ったかが書いてある。まずは快適に過ごしたいがためのエネルギー。次は水と食べ物。それからセキュリティ。最後にリレーションアンドレジャーズ。
槌屋先生のエネ噺
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リレーションアンドレジャーズ?楽しそうな響きですね
んー。
やはり石器時代は基本的には食べ物と、身体を暖めるということに一番エネルギーが使われてますね。この頃には洞窟があり、その中でたき火をしていたと想像されます。
槌屋先生のエネ噺
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僕が思っていた以上に進んでますねー
石器時代は何個かコミュニティがあり、その中で生活を営んでしたんですね。
その中で食事、暖房、照明を兼ねた火を燃やしていたという時代ですね。それが石器時代前期です!
槌屋先生のエネ噺
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ヨシムラの今週の一枚
槌屋治紀
1943年千葉生まれ。東京大学工学部機械工学科卒業、同大学院博士課程修了。(株)システム技術研究所所長。京都・仙台エコエネルギー学院学長(リンク付き)工学博士。システム工学専攻。エネルギー・資源分析、情報科学の手法を使い、持続可能な社会への道筋を提案しつづけている。WWFジャパン(世界自然保護基金ジャパン)にて「脱炭素社会に向けたエネルギーシナリオ提案」を発表。著書に『エネルギーのいま・未来』(岩波ジュニア新書)『エネルギー耕作型文明』(東洋経済新報社)など、訳書に『ソフト・エネルギー・パス』著エイモリーロビンス(時事通信社)などがある。
『ソフト・エネルギー・パス』は日本に初めて「再生可能エネルギー」という用語を紹介した書籍と言われている。

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