エコな食品用ラップとは?素材の違いをタドル!
食材の保存に欠かせない食品用のラップ。何気なく使っているけど使い捨てだしもったいないと感じている方も多いのではないでしょうか。今回はラップの素材の違いによる特徴から、エコなラップ「みつろうラップ」の紹介まで、ラップを深くタドリます!
目次
ラップの素材の違い
いろいろな商品を使ってみると、切りやすさや固さなど、使い心地に違いがあることがわかるでしょう。また、商品によって値段にも大きな開きがあります。これらは素材の違いによるものです。
ラップに使われる主な素材を紹介します。
ポリ塩化ビニリデン(PVDC)
密閉性が高いのが特徴。生鮮食品のような劣化しやすいものやキムチなどニオイの強いものの保存に向いています。また耐熱性も高くカッターで切るのもスムーズで、機能性が全体的に高いのでほかの素材に比べて使いやすいでしょう。ただし価格は高めです。
(商品の一例:サランラップ、クレラップ)
ポリ塩化ビニル(PVC)
業務用ラップとしてよく使われ、密着性が高いため汁物の出前にも向いています。密閉性はポリ塩化ビニリデンほど高くはないため長期保存には適していませんが、通気性があるため野菜や果物の保管にはいいでしょう。
(商品の一例:日立ラップ)
ポリエチレン(PE)
価格が手頃で、性能は全体を通して低め。電子レンジの利用やニオイの強いものの保管には向いていませんが、野菜や果物などの保管には適しています。
(商品の一例:ポリラップ)
ポリオレフィン(PO)
ポリエチレンと比べてフィルムが多層構造になっているため密閉性や耐熱性があがっています。電子レンジも使用可能です。
(商品の一例:ダイアラップ エコぴたっ!)
ラップは燃えるごみ?燃えないごみ?
ラップは一般的にプラスチックに分類されますが、容器包装リサイクル法によると家庭用のラップ類はリサイクルの対象外とされており、可燃ごみに分類されます。(参考:容器包装に関する基本的考え方について/環境省)
なお、スーパーなどで売られている食品トレイに使われているラップについては、汚れを取り除いてリサイクルプラに出す必要があります。汚れが取り除けない場合は可燃ごみとして出しましょう。
どのラップが安全なの?
環境に優しいラップの素材はどれなのでしょうか。
ポリ塩化ビニリデンとポリ塩化ビニルには、ダイオキシンが発生する原因といわれている塩素が含まれているため、一時的に社会問題として取り沙汰されたことがありました。しかし、1997年にごみ処理に係るダイオキシン類発生防止等ガイドラインが改正され、現在では焼却施設の能力も向上しているためダイオキシンが発生しにくくなっています。
また多くのラップは合成樹脂から作られており、柔らかさをだすために可塑剤という添加剤を使っているものもあります。2000年以前にはポリ塩化ビニル製のラップから食品に溶出する化学物質が問題となったこともありますが、食品衛生法にもとづいて一定の規格基準が定められており現在のラップには発がん性や毒性のある添加剤は検出されていません。
つまり素材の違いにそこまでこだわらなくても、自治体のルールに則ってラップを処分すれば大きな環境への影響は少ないといえます。それでも素材にこだわりたいのであれば、無添加をうたうポリラップなどを使うのがいいでしょう。
環境に優しいおすすめのラップは「みつろうラップ」
市販のラップには、環境面への影響に素材による大きな違いはみられないと紹介しました。しかし、マイクロプラスチックが問題となっている昨今では、そもそもプラスチック製品を避けたいと考える人も多いです。そこで注目されているのがみつろうラップ。コットンとみつろう、植物性オイルなどからなり、洗って何度でも使うことができます。
市販のみつろうラップは半年から一年ほどもつと言われており、材料さえ揃えれば簡単に自作できます。なんといっても見た目も可愛くて地球にやさしい。電子レンジのあたためには使えないことや、酸の強い魚や肉などを包むのは適していないという特徴さえきちんと把握していれば、非常に便利です。
私は電子レンジにはプラスチックのふたを用い、野菜の保管などにみつろうラップを使っています。ラップも念の為常備していますがほとんど出番はありません。無理に身の回りのもの全てを脱プラしよう!と意気込むよりは、できる範囲で少しずつ減らしていくのが無理なく楽しく続けられるコツかなと感じています。
自分で作ったみつろうラップと市販のものを使い比べてみましたが、あまり大きな違いは感じませんでした。プレゼント用でコーティングにムラがないものがいいとか、大きなものを作るのが面倒なときには市販のものを、自宅にあるお皿の大きさにあわせて作りたいときやコストをおさえたいときには自作がおすすめです。ぜひ皆さんも環境に優しいラップに興味があればみつろうラップをつかってみてください。